「強者の戦いを全うした」大岩ジャパン。真っ向勝負したからこそ明確になった“スペインとの差”【識者のパリ五輪総括】

 パリ五輪でベスト8という結果に終わった大岩ジャパン。これを受け、識者の河治良幸氏は「これまでの五輪で一番前向きな要素が多かったです」との見解を示した。

 実際、グループステージは3戦全勝。初戦でパラグアイを5-0と下すと、2戦目でマリを、3戦目でイスラエルをいずれも1-0で撃破した。河治氏は「五輪の舞台で3連勝はなかなかないです。しかも無失点ですからね。チームとしてオーガナイズされていました」とパフォーマンスを評価していた。

 0-3で敗れたスペイン戦にしても、「ある種、強者の戦いを全うしました」(河治氏)。

「3失点しましたが、勝機がなかったわけではありません。その中でスペインとの差、課題は明確になったので、個人的にはメダルを獲得できなかったこと以外はポジティブに捉えています」
 
 ポジティブな部分は具体的にどこだったのか。

「ボールを保持しつつ、相手の守備を見ながらしっかりとポジション取りができていました。スペイン戦も基本コンセプトとして高いラインを敷いて、高い位置から攻めるというものは崩しませんでした。意識と方法の両面が現れていたのは良かったです」

 戦い方の大枠が整理されていたにもかかわらず、なぜスペインに勝てなかったか。河治氏は次のように答えた。

「個々の局面でのスペインのクオリティが日本を上回っていました。細谷選手のゴールが決まっていればとか、“たられば”はありましたけど、真っ向勝負して0-3という事実があります。スペイン戦はサイドから崩しきれませんでした。課題のひとつは、ゴール前での厚みが足りない点。攻撃面でスペインを困らせるシーンは少なかったですよね。流れの中で前線までボールを運べているけど、そこにもう1枚入っていけなかった部分で物足りなかったです」

 結局、スペインに「全部でちょっと負けていた」。

「立ち位置、パスの質など、全て日本が少し下回っていました」

 スペインと真っ向勝負したからこそ感じられた差がまさにそこだった。

構成●サッカーダイジェストTV編集部)

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