神戸が連覇へ望みつなぐ勝利。吉田孝行監督が口にした負傷者、欠場者を抱えるなかで掴み取った勝点3の意味

[J1第26節]横浜 1-2 神戸/8月11日/日産スタジアム

 ヴィッセル神戸は8月11日、J1第26節で横浜F・マリノスと敵地で対戦し、2-1で勝利した。

 前線からのハイプレスと、切り替えの早い守備で試合を優勢に進めた神戸は、42分に横浜に先手を取られるも、前半のうちに同点に追いつく。45+3分、大迫勇也がボックス内でファウルを受けて獲得したPKを、武藤嘉紀が冷静に沈めた。

 そして後半は横浜にボールを握られるなか、神戸は65分に逆転に成功した。右サイドでボールを受けた広瀬陸斗が、相手守備陣の背後を取った武藤に絶妙な縦パスを通すと、武藤が相手GKとの1対1を制してネットを揺らした。

 終盤は攻勢を強める横浜に押し込まれる場面もあったが、最後までリードを守り切った神戸が、4試合ぶりに勝点3をゲットした。
【動画】広瀬の絶妙な縦パスから武藤がゴールを奪い逆転!
 試合後、神戸の吉田孝行監督は次のように振り返った。

「選手一人ひとりの戦う気持ちとか、自分たちのサッカーっていうベースの部分がしっかり出せたゲームだった。前半は良い守備からのカウンターでいくつかチャンスを作れていた。そのなかでワンチャンスでセットプレーから(点を)入れられたのは課題ですけど、追いついたところも良かった。後半も自分たちのやることを徹底しようということで、集中力を切らさずに選手全員が戦ってくれた」

 神戸はチームの主力である酒井高徳や初瀬亮らを怪我で欠き、さらに前節の川崎フロンターレ戦で退場処分となったマテウス・トゥーレルと飯野七聖が今節は欠場と、苦しい台所事情を抱えていた。そうしたなか、MF登録の鍬先祐弥を左SBで起用するなどして勝点3を掴んだ意味について記者から問われると、指揮官はこう語った。

「この勝点3は本当に大きいです。例えば今日はクワ(鍬先)が左サイドバックで出ましたけど、シーズンを通してチームを編成するうえで、苦しいポジションもあるし、足りないところに誰かをコンバートしなきゃいけないっていうのは、キャンプの時からずっと思っていて、練習から何度かサイドバックをやらせて、この日のために準備をしてきたし、選手たちも良い準備をしてくれた。

 やはり主力がいないのは、チームとしてはかなり苦しい状況。そういう時にみんながやってやろうっていう気持ちを持って戦えたと思うし、変わって入った選手たちが活躍するのはチームにとって良い流れ。ただ、1試合を勝っただけなので、次も大事なガンバ大阪との試合がある。またメンバーみんなで戦うための準備をしたい」

 吉田監督の入念な準備とリスク管理が光った試合だったと言えるだろう。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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