[J1第26節]横浜 1-2 神戸/8月11日/日産スタジアム
8月11日、横浜F・マリノスはJ1第26節でヴィッセル神戸とホームで対戦。42分にCKからエドゥアルドのヘッド弾で先制するも、45+3分と65分に武藤嘉紀にゴールを奪われ、1-2で敗れた。
近年は常に上位争いを演じてきた横浜だが、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2023-24と並行して戦ってきた今季は、その過密日程の影響などもあり、リーグ戦は25節終了時点で9位。シーズンの前半戦は苦戦を強いられていた。
そうしたなか、23節の鹿島アントラーズ戦(4-1)、24節のFC町田ゼルビア戦(2-1)、25節の北海道コンサドーレ札幌戦(3-2)では指揮官交代も選択しながら今季初の3連勝。この3試合で9ゴールと攻撃陣も爆発し、チームとして本来のアタッキングフットボールの姿を取り戻しつつあった。
その勢いに乗りたい今節だったが、前半は神戸に中盤の中央のスペースを上手く消されて思うようなビルドアップの形が作れず。エウベル、ヤン・マテウスの両サイドからの仕掛けも連動性に欠け、迫力のある攻撃があまり見せられなかった。
横浜は後半、最終ラインでのボール保持こそできたものの、パスミスからボールを奪われてピンチを招いてしまったり、攻→守の切り替えが遅れ、相手のボールホルダーに寄せ切れないシーンも目立つなど、改めて課題を突き付けられた一戦になった。
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「相手がボランチと真ん中を消してきて、外でやらせようとしていた。そこで上手く自分たちの時間が作れなかったし、単発の攻撃ばかりになっていた。そうしたなかで試合中に自分たちで考えて、アジャストしていく力は、今後チームが強くなっていくには絶対に必要。上手くいかなかった時に誰が打開する行動を起こせるかも大事」
試合後にそう語ったのは飯倉大樹だ。今季で在籍通算16年目を迎えるベテランGKは、チームの現在地についてもこう語る。
「ここ数年、アンジェ・ポステコグルー(現・トッテナム監督)から始まったサッカーがどんどん形を変えて成長して、今は上手くいっているようにも見えるけど、まだまだ上手くいく途中。マリノスはたぶん神戸と違って、個人でどうにかできるチームじゃない。そういう意味でも連敗をしちゃいけないのは当たり前として、それよりも自分たちのサッカーで相手をどう倒していくかっていうところのほうが大事。自分たちが本来やりたいことをもう1回“根ざす”時期にあるから、1試合1試合で自分たちに何ができるか、何をしたいかじゃないかな」
ハリー・キューウェル監督から引き継いで24節からチームの指揮を執るジョン・ハッチンソン監督の下、「アタッキングフットボールを取り戻す」という方向性に関しては、意識統一ができているという。
「3連勝できたのも、そのベースが心にあったから。でも今日みたいに上手くいかなくなった時に保てないのは、まだ根付いてない証拠。原点に戻った時の軸の強さをもう1回確かめないと、次のステップには絶対に行けないから、今はそれを構築する時期。上手くいかないことも受け入れて、何で上手くいかなかったのかを考えるべきだと思う」
横浜は飯倉が指摘した部分をどう改善していくかが、リーグ戦で上位陣に食らいつくため、そして9月から始まるACLエリートを勝ち抜くためのポイントのひとつになりそうだ。
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)
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