パリオリンピックの5人制男子バスケットボール競技は、決勝戦でホスト国フランスをアメリカが98-87で破り、バスケ大国の大会5連覇で幕を閉じた。
大会を通じて全チーム中トップの平均105.3点をマークしたアメリカ。レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラントといったスーパースターを中心に破壊力抜群のオフェンスを展開し、計6選手が平均2桁得点を奪取した。
そんなスター軍団において、チームトップの平均得点をマークしたのはカリー。ただ、稀代のシューターは準々決勝までの4試合で3ポイント成功率25.0%(5/20)と、スランプに陥っていた。
しかしラスト2戦では成功率65.4%(17/26)と本領を発揮。準決勝では9本の3ポイントを含む計36得点に8リバウンド、2アシスト、決勝でも残り3分を切って4本の長距離砲をお見舞いして24得点に5アシスト、2スティールをマークするなど、見事なバウンスバックでアメリカを金メダルに導いた。
「自信を保って、目の前のことに集中する、あとは動揺しないことだね。そこには絶大な信念がある。打つべきショットを受け入れることだね」
そう語ったカリーは、大一番での活躍が評価され、レブロンとともに大会ベスト5に選出された。
そのほか、決勝戦では今大会初めて先発起用されたデュラントが15得点に4リバウンド、4アシストをマーク。最強スコアラーは大会前にふくらはぎの肉離れを負い戦列を離れるも、グループリーグ初戦で実戦復帰を飾り、ベンチから得点力を供給していた。
また、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)から「陰のMVP」と絶賛されたデビン・ブッカーは15得点、6リバウンド、3アシストを記録。NBAでは点取り屋として活躍するスター選手が、この代表活動ではロールプレーヤーとなって攻守両面でチームを補佐し、金メダル獲得に大きく貢献した。
チーム一丸となって頂点に辿り着いたアメリカ。次回のロサンゼルス五輪で、大会6連覇を果たせるか注目だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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