2024年の夏は猛暑が続き、家でゆっくりアニメを鑑賞するという人も多いのではないでしょうか。しかし、数あるアニメ作品のなかから、どれを観ようか迷ってしまいませんか? 夏休みに「イッキ観」できる、1クール完結アニメのなかから、特に綺麗にまとめられた作品に注目します。
魔法が存在する世界を美しく描く『色づく世界の明日から』全13話 (C)色づく世界の明日から製作委員会
【画像】え、そりゃ誤解するわ! コチラが「ムフフ」なアニメかなと思ってしまうビジュアルです(4枚)
この夏観たい、おすすめアニメ!
近年の人気アニメというと、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』、現在放送中の『【推しの子】』など、2期、3期と続く作品が目立ちます。とはいえ、なかには1クールで完結、もしくはひと区切りしながらも、「1話を観たら、最終話まで止まらなくなる」といった声があがるほどの高評価を得ている作品もあります。夏休みに「イッキ観」するのにおすすめしたい、3作品をご紹介します。
『色づく世界の明日から』全13話
2018年に放送された『色づく世界の明日から』は、『Another』や『凪のあすから』などの人気アニメを輩出した「P.A.WORKS」制作のアニメーション作品です。
主人公は、魔法使いの一族に生まれ、幼い頃の過酷な経験をきっかけに色覚を失った女子高生「月白瞳美(つきしろ ひとみ)」です。瞳美はある日、祖母「月白琥珀(つきしろ こはく)」から「高校2年生の私に会いに行きなさい」と伝えられ、2078年から2018年にタイムスリップさせられてしまいます。
本作は長崎県長崎市を舞台にしており、そこに「魔法」というエッセンスが加わり、ファンタジーな世界観を色彩豊かに描いています。また、瞳美が過去にタイムスリップすることによって、どのように成長していくのか、そして失った色覚を取り戻すことができるのかという点が本作の大きな見どころといえるでしょう。
視聴者からは「時を超えた孫と祖母の関係や、2018年に出会った人との関係など涙なしでは観られない」「現実離れした設定なのに、違和感なく観られて映像は本当にきれいだった」といった声があがっています。また、冒頭の花火大会のシーンなど、夏を感じさせる場面も多く、この季節にぴったりの作品ではないでしょうか。
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』全13話
同題の小説(著:鴨志田一/イラスト:溝口ケージ/KADOKAWA)を原作としたアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』は、2018年に放送され、現在も若い世代の間でカルト的人気を博しています。
本作は、主人公「梓川咲太(あずさがわ さくた)」がある日、図書館でバニーガール姿をして徘徊する、同じ高校の先輩で人気女優の「桜島麻衣(さくらじま まい)」と出会うという、冒頭から驚きの展開を見せます。物語は、「思春期症候群」という不思議現象を解決するため、咲太が奮闘する姿が描かれました。
物語のキーワードのひとつである「思春期症候群」は、思春期に「同じ日が何度もループする」「他人と姿が入れ替わる」などといった症状に陥ることを指します。麻衣は「自分が他人から認識されない」、咲太は「胸に大きな爪痕のような傷ができる」とそれぞれ異なる症状が出ています。
その症状には、本人たちの精神的な問題がありました。麻衣と咲太だけでなく、ふたりのきょうだいや、クラスメイトなども思春期症候群を発症し、原因を解決しようとする姿が作中で描かれました。
ネット上では「それぞれの登場人物が、過去を克服して成長する姿が泣ける」「タイトルから観る気がしなかったけれど、自分が最後に泣いているとは思わなかった」といった声が見受けられます。タイトルで敬遠せず、一度鑑賞してみることをおすすめします。
ちなみに本作品のTVアニメは1クールで終わったものの、劇場版シリーズが3作公開され、2025年には「大学生編」となるシリーズ最新作『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』の放送が決定しています。
作画の美しさに定評のあるP.A.WORKS制作『Charlotte(シャーロット)』全13話 (C)Visual Art’s/Key/Charlotte Project
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序盤に比べて暗くなっても高評価だったアニメ
『Charlotte(シャーロット)』全13話
『色づく世界の明日から』のP.A.WORKSも制作に携わったアニメ『Charlotte』は、2015年の夏アニメとして放送されました。思春期の少年少女の一部に「不完全な特殊能力」が発症するという世界を舞台に、高校生の主人公「乙坂有宇(おとさか ゆう)」が、自身の能力を使い、さまざまな困難に立ち向かっていくという物語です。
序盤は、有宇が自身の「他人を5秒だけ乗っ取る」能力を悪用し、テストをカンニングしていい点を取るなどというコメディ要素が多めなストーリーです。しかし、有宇に秘められた本当の能力や、彼も知らなかった兄が存在していたことが判明するなど、後半はシリアスな要素が盛り込まれ、作品に惹き込まれた人が多いようです。
ファンのなかでは「1クール内で伏線回収も綺麗で満足だった」「主人公の苦しみに連動して話がシリアスになるが、逆に作品により惹き込まれた」といった声があがっています。作中に散りばめられた伏線や、能力者たちが抱える苦悩などが注目ポイントといえるでしょう。