Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部,True Rescue/facebook(2024)

遺伝子のいたずらは時に、私たちを大いに驚かせる動物の姿を見せてくれます。

このほど、アメリカで保護された子猫は通常の2つの耳の他に、余分な耳をさらに2つ持っていました。

この子猫は遺伝子の先天異常により、生まれながらにして”4つ耳”になっていたのです。

これはかなり特殊な症状に思えますが、世界的には報告例がいくつか見られるようです。

 

目次

遺伝子異常で耳が4つに!

遺伝子異常で耳が4つに!

米テネシー州マウント・ジュリエットにある動物保護団体「トゥルー・レスキュー(True Rescue)」は7月31日、公式のフェイスブック上で、4つ耳の子猫(オス)が保護されたことを報告しました。

同団体のスタッフによると、この子猫は他の3匹の子猫と一緒に施設に連れて来られ、すぐに耳が余分に生えていることに気づいたといいます。

スタッフらは4つ耳の子猫の名前を新たに「オーディオ(Audio)」と名付けました。


保護された4つ耳の子猫「オーディオ」 / Credit: True Rescue/facebook(2024)

実は4つ耳の猫が見つかったのはオーディオが初めてではありません。

2021年にもトルコで「ミダス(Midas)」と命名された4つ耳の猫が発見されています。

彼女はメスの猫であり、今でも元気に暮らしています。

 

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オーディオやミダスのように耳が余分に生えるのは、先天的な遺伝子異常が原因です。

具体的には、胎児の発育プロセスの中で耳を形成するための遺伝子に何らかの変異が生じてしまい、通常の2つの耳に加えて、余分な耳が形成されると考えられています。

このような猫は通常の猫と同様に健康な暮らしができますが、余分に生えた耳は正常に機能しないことが多いようです。

外見上はちゃんとした耳に見えるのですが、「音を聞く」機能はなく、飾り物に留まることがほとんどだといいます。

ところが今回のオーディオの耳を調べてみると、聴覚が正常に機能していることがわかりました(ミダスの耳も正常な聴覚を持っていたことがわかっている)。

トゥルー・レスキューのスタッフは「すぐにオーディオの聴覚を獣医に診てもらいましたが、内耳の機能はまったく正常で、耳掃除を余分にしなければならないことを除けば、何の問題もありませんでした」と話しています。


耳は4つとも正常に機能している / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部,True Rescue/facebook(2024)

オーディオは現在、生後8〜9週齢で体重は1キロほどですが、元気にすくすくと成長しているとのこと。

アニメ界隈ではよく、猫や馬のような獣の耳を持つ「ケモ耳キャラ」が登場するとき、「耳は2つなのか4つあるのか」という論争が繰り広げられます。

これは本来人間の耳がある場所に耳がないと気持ち悪いけど、あったらあったで耳が4つになってしまうので、それは変だろうという議論です。

しかし、本物の猫に4つ耳になる症状が稀に起きているとなると、別に4つ耳になってもおかしくないのかもしれません。

参考文献

Four-Eared Kitten Rescued By Animal Shelter Is Adorable Genetic Marvel
https://www.iflscience.com/four-eared-kitten-rescued-by-animal-shelter-is-adorable-genetic-marvel-75471

Photos: Meet Audio, a 4-eared kitten with an extra pair for your gossip
https://interestingengineering.com/photo-story/kitty-audio-captures-internet

Meet Midas the Four-Eared Kitten Who Is Winning Countless Hearts on the Internet
https://mymodernmet.com/midas-four-eared-cat/

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。
他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。
趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部