お盆休みに帰省や旅行を計画しているけど、乗り物酔いが不安……。

いつも薬に頼っているけど、他にも乗り物酔いに効く対策があれば試してみたいと思っていませんか?

実は乗り物酔いの対策でできることはたくさんあります。

そこで、今回は乗り物酔いを防ぐ4つのコツを薬剤師の碇 純子さんに教えてもらいました。

乗り物酔いしちゃう原因って?

乗り物酔いとは、「動揺病」や「加速度病」とも呼ばれ、乗り物の動きや揺れ、スピードの変化などにより起こる不快な症状をいいます。

乗り物酔いの原因には耳、目、脳などが関係しています。

乗り物の揺れや景色の移動などによって、目から入る視覚情報と耳の奥の器官が感知する情報にズレが生じます。

すると、情報を「快」か「不快」か判断する脳の扁桃体が、過去の情報と照らし合わせ「不快」と判断します。

その結果、自律神経が異常に興奮し、めまい、吐き気、嘔吐、冷や汗などの症状が生じるのです。

乗り物の種類によって、車酔い、船酔い、空酔いとも呼ばれ、テーマパークのアトラクションなどでも乗り物酔いを引き起こすことが知られています。

また、疲れや睡眠不足などの体調不良、不快に感じられる温度・湿度・匂い、過去の乗り物酔いの記憶なども、乗り物酔いの原因に。

さらに、乗り物に乗っている最中のスマホ操作やゲームなども、耳の奥の器官が感知する情報と目からの視覚情報にズレを起こすため、乗り物酔いの要因となることがあります。

男性より女性の方が発症しやすいとされ、なかには体質や遺伝的に酔いやすい傾向がある方もいるようです。

年齢を重ねるとともに徐々に症状が改善していくのが特徴で、50歳以上になると発症するケースは非常に少なくなります。

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酔いたくない! 乗り物酔いを防ぐ4つの対策

乗り物酔い予防に効果的な対策を紹介します。

締めつけない服装でラクな姿勢をとる
乗り物酔い予防の基本はゆったり過ごすことです。
衣服は、襟元が広めで、締め付けがないゆったりしたものを選びましょう。

体を圧迫するような衣服や下着は避けて、ボタンを外したり、きついベルトなどは緩めたりしましょう。

とくに、おなかを圧迫する衣服は気分が悪くなる原因になりがちです。
ジャージやセーターなど、着脱しやすくて伸縮する生地の衣服なら、リラックスできて安心です。

気分が悪くなったら、早めにシートを倒すか横になってラクな姿勢をとると、酔いが和らぐでしょう。

座席の位置や目線に注意する
座席の位置、姿勢、目線などをちょっと意識することでも、不快感を予防できます。

後ろ向きの座席は避け、進行方向が見える前方の座席に座ると揺れを軽減できます。

自動車では助手席、バスではなるべく前方、船では中央部進行方向向きの座席に座るといいでしょう。

座席に深く腰掛けて、大きなカーブでも体が動かないようにしておくことが大切です。

視線は進行方向をまっすぐ見て、アゴを引き気味にします。

船の場合は、動く波を見ていると酔いやすくなるので、遠くの水平線などを眺めるといいでしょう。

乗り物酔いを予防する食べ物・飲み物を摂る
ミントガムを噛んだり、氷を口に含んだりすると冷たい刺激が自律神経の揺らぎを抑え、酔いが和らぎます。
とくに、ガムなどを噛むことによる覚醒効果は、乗り物酔いの予防に役立つとされています。

また、キャンディやチョコは血糖値を上げ、脳を目覚めさせてくれます。

飲み物は、清涼感のあるペパーミントティーやジンジャーティーがオススメ。

ペパーミントティーは胃の不快感を軽減する作用や鎮静作用があるため、乗り物酔いの症状を和らげてくれます。
ミントの香りがリフレッシュ効果を高め、気分をすっきりさせてくれますよ。

生姜には胃の不快感を軽減する働きや吐き気を抑える働きがあるため、乗り物酔いの予防効果が期待できます。

逆に、柑橘系の飲み物は胃酸の分泌を促進し、乗り物酔いを悪化させる可能性があるため避けましょう。

特定の食べ物や飲み物で予防効果を体感することで、「これがあれば酔わない!」という自己暗示にもなり、プラセボ効果も期待できるでしょう。

ツボを刺激する

乗り物酔い予防には、内関(ないかん)というツボを押すことも有効だとわかっています。
酔い止めのツボとして有名なので覚えておきましょう。

効果
平衡感覚を正常にする働きがあり、胃の不快感や吐き気を和らげてくれます。
自律神経の働きを助け、天気痛の症状緩和、ストレスからくる胃腸の不調、胸やけ、イライラ、めまい、動悸などの心身の症状に効果を発揮します。

ツボの位置
手のひらを上に向けた状態で、手と手首の境目にあるしわの真ん中から指3本分ひじ側へ進んだところにあります。

押し方
気持ちいい程度の強さで、ゆっくり深呼吸しながら押すと効果的です。