編み物王子がプールに別れを告げた。
英放送局『BBC』によると、パリ五輪の男子10メートル高飛び込みで銀メダルに輝いたイギリス代表のトーマス・デーリーが、現役引退を表明した。東京五輪で「編み物王子」として注目され、現地11日に閉幕した同大会でも器用な手先は健在だった英国人に惜別の声が上がっている。
同局によると、デーリーはパリ五輪前にすでに引退を決意していた。「最後に飛び板に上がった時は、感情的になってしまったね。競技として最後の飛び込みになると分かっていたから」と告白。「あるところで決断を下さないといけないし、正しい時だと感じている。終わりを告げるには正しいタイミングなんだ」と紹介されている。
同選手は14歳で2008年北京五輪に初出場し、12年ロンドン大会の10メートルで銅メダル、21年東京大会のシンクロ10メートルで金メダルを獲得。今回のパリ大会での銀メダルですべての色のメダルを手に入れた。「自分の愛したスポーツに別れを告げるときはいつも辛い。今年はボーナスのような気分だったし、家族や子供たちの前で試合ができた。(開会式で)旗手を務めることもできたしね」とBBCのメーガン・オーウェン記者に感極まった様子で語った。
引退後の予定を聞かれたデーリーは「家族と一緒にいたい。一緒に過ごして2、3日の間、ちょっと普通の気分になれるのが本当に楽しみなんだ」と話し、現在6歳になる息子ロビーくんとの時間を優先するという。
甘いマスクで人気を博したデーリーは東京五輪のスタンドで編み物をする姿が目撃されて、SNSで大きな話題になった。今大会でも女子高飛び込みの決勝を応援しながら、得意の編み物をする姿が国際映像に抜かれていた。
構成●THE DIGEST編集部
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