10月22日(日本時間23日、日付は以下同)に開幕するNBAの2024-25シーズン、キャリア22年目に臨むレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、1984年12月30日に40歳を迎える。
現役のNBA選手ではレブロンのほか、サンアントニオ・スパーズのクリス・ポール、シャーロット・ホーネッツのタージ・ギブソン、ロサンゼルス・クリッパーズのPJ・タッカーも39歳だ(レブロンは1984年、ポール、ギブソン、タッカーは1985年生まれ)。
そのうち、レブロンに次ぐ最年長選手は5月5日生まれのタッカー。ポールよりも1日早く生まれた196㎝・111㎏のパワーフォワード兼センターは、コーナースリーやディフェンスやリバウンド、スクリーンといった脇役仕事を黙々とこなす。
キャリア13年目の昨季はフィラデルフィア・セブンティシクサーズで開幕を迎え、昨年11月にトレードでクリッパーズ入り。先発を務めていたシクサーズ時代とは一転、出番を徐々に失い、ローテーションから外れることもあったが、オフにプレーヤーオプションを行使しクリッパーズ残留を決断した。
8月12日に公開された『SiriusXM NBA』へ出演したタッカーは、契約最終年で引退も近づく中、自身の現在地についてこう話していた。
「正直なところ、わからないね。この身体が自分へ知らせてくれるさ。キャリアを通じて、僕は健康体でいられるようにベストを尽くしてきた。自分としては今もすごくいい状態にあるんだ。だから最後までやってやるさ。肉体が(限界だと)知らせてきたら、どうするか考える。
これまで一緒にプレーしてきた選手たちの多くが早すぎる引退を迎え、(NBAに)復帰しようとトライしてきた。そういう類の選手にはなりたくないね。一度引退したら、そのままコートから去りたいんだ」
続いてタッカーは昨季を次のように振り返った。
「本音を言えば、僕は離れたくなかった。けどこういう状況で、(出番が)制限されることは望んでいないし、その可能性があることはわかっていた。家族もまだ暮らしているからコートに立ちたかったんだけど、うまくいかなかったんだ」
タッカーは2021-22シーズンに在籍していたマイアミ・ヒートでプレーを続けて引退する道もあったが、2022年夏にプレーヤーオプションを破棄して、シクサーズへ移籍していた。
「マイアミで引退するんだろうと思っていた。でも彼らのせいにはしない。(キャップスペースを)制限されたくなかったこと、その後に(ロスターを)動かしたかった彼らの考えは理解している」(タッカー)。
今夏にクリッパーズはポール・ジョージがシクサーズ、ラッセル・ウエストブルックがデンバー・ナゲッツへ移籍したものの、オールスターの常連であるカワイ・レナードとジェームズ・ハーデンは健在だ。
2人の周囲にはビッグマンのイビツァ・ズバッツとモー・バンバ、バックコートとウイングにはテレンス・マンやノーマン・パウエル、アミール・コフィーがおり、さらに今夏のFA(フリーエージェント)戦線ではニコラ・バトゥームを呼び戻し、新たにデリック・ジョーンズJr.やクリス・ダン、ケビン・ポーターJr.を獲得。
今季のタッカーの立ち位置はパワーフォワードの4番手あるいはセンターの3番手で、同ポジションにケガ人が出ない限り、ローテーション入りは微妙だ。
今後クリッパーズがタッカーを放出するかは不透明ながら、彼が今でもチームの勝利を助けることができるのは事実。
2006年のドラフト2巡目全体35位で指名されたトロント・ラプターズで1年目をプレー後、イスラエルやウクライナなどで経験を積み、NBA復帰後に有能なロールプレーヤーの地位を確立したタッカー。39歳の大ベテランは、引退までにもう一花咲かせてほしい限りだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
「このチームには間違いなくチャンスがある」新天地クリッパーズで自身2度目の優勝を目指すタッカー「メンバーを見てくれよ」<DUNKSHOOT>
地元開催の五輪を涙で終えたウェンバンヤマへ名手ウェイドがエール「彼はNBAと国際大会の未来を担う男」【パリ五輪】<DUNKSHOOT>
「タフな経験になった」不遇を味わったテイタムがパリ五輪後の心境を吐露。一方で「(ロス五輪参加への)決断には影響しない」<DUNKSHOOT>