現地8月11日、パリ五輪は17日間の戦いを終え、幕を閉じた。2週間に渡るエキサイティングなスポーツ競技を締めくくる華やかな閉会式が行なわれたが、ステージ上のある造形物が物議を醸している。
陸上競技が開催されたスタッド・ド・フランスでのセレモニーは、実に派手で華やかだった。選手の入場式、フランスの文化・音楽パフォーマンス、そして次回開催のロサンゼルス五輪の引き継ぎ役として人気ハリウッド俳優のトム・クルーズがサプライズ出演。2028年大会に注目が集まるなか、ロサンゼルスのビーチでの音楽ライブに切り替わると、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ビリー・アイリッシュ、スヌープ・ドッグ、ドクター・ドレーといった豪華アーティストが集結した。
だが一方で、フランス文化の要素を取り入れつつ、未来を見据えた演出の一部に批判の声が上がっている。米放送局『Fox Sports』は、きらびやかな黄金色の衣装に身を包んだフランスの歴史的遺産にちなんだキャラクター「ゴールデンボイジャー」が降り立ったステージについて、「視聴者たちは、スタジアムのステージが何かおかしいことに気付かずにはいられなかった。空撮された映像で、それが世界地図であることが判明するまでは、少し奇妙に見えたトゲトゲの星形の建造物にしかみえなかった」と酷評した。
続けて、「世界中の大陸が表現されているというが、ひとつだけ国が欠けていた。マダガスカルのような島国が舞台の地図から消えていた。同じく、インドネシアやフィリピンを含めた事実上の島国は地図に描かれていなかった」と鋭く指摘している。
同局だけではない。ニュージーランドのニュースメディア『1news』は、「日本やイギリスなど、ニュージーランドと同じような大きさの島国が見える」と言及しながら、「パリ五輪の主催者側は、このステージは『象徴的な形で半球を表現している』と説明しているが、フランス人はニュージーランドを世界地図から外している」と強く非難。「閉会式で表現したこの芸術的な世界地図には、ニュージーランドあるいはマダガスカルは含まれていないようだ」と苛立ちを隠せなかった。
『1news』の主張によれば、ニュージーランドは今大会で金メダル10個を獲得し、メダル獲得数では11位というオリンピック史上最高成績を収めただけに、「地図の見落としはニュージーランドにとって、ひどい侮辱だった」と憤りを感じたようだ。
舞台上では他にも、ルーブル美術館に収蔵されている勝利の女神ニケの彫刻が登場。ダンサーらが周囲で踊りを披露するという演出があったが、彫刻の出来についてSNS上では不満を寄せる声も少なからず上がっていた。
構成●THE DIGEST編集部
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