バルセロナは去年のクリスマス頃から、ラミネ・ヤマルの出現で「大当たり」を引いたことを知っていた。いくつかの市場調査でも、このアタッカーが将来、バロンドールを受賞するポテンシャルを秘めているという点で一致している。
スペイン代表の一員としてEURO2024で爆発的な活躍を披露したことで、その期待値はさらに高まった。代表での成功は、パフォーマンスの継続性もメディアへの露出度も、これまでのバルサでは見られない規模の大きさだった。ファンがヤマルの姿と成功をいかにバルサとリンクさせるかが今後の首脳陣の課題となる。
ヤマルを15歳でデビューさせたシャビのキャリアもスペイン代表が優勝を飾ったEURO2008で最優秀MFに選ばれてから変わった。シャビがその後、バルサで受けた扱いの違いは、ヤマルにとっても参考になるだろう。
ヤマルの心と身体の健康は、コンディショニングと、バルサと代表で出場する試合数に関係してくる。バルサのメディカルスタッフは説明する。
「身体の声に耳を傾けながら、調整しなければならない。全試合に出場することはできない。ヤマルの身体はまだ大人の選手の域には達していない。EUROで多くの選手が直面したように、過密スケジュールによる負担も考慮しなければならない」
【PHOTO】9頭身の超絶ボディ! 韓国チア界が誇る“女神”アン・ジヒョンの悩殺ショットを一挙チェック!
イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が試算したところによると、ヤマルの市場価値は約3億ユーロ(約480億円)に達するという。スペインがイングランドと顔を合わせたEUROの決勝戦に出場した選手の中で最高の額だ。
バルサは、キリアン・エムバペが加入したレアル・マドリーに対抗するために、世界的な影響力を与えられるスーパースターを待望していた。そんな中、ヤマルが出現した。経営を再び軌道に乗せ、バルサのブランドイメージを向上させるには、打ってつけの広告塔だ。ヤマルの存在は、バルサを長い間覆ってきた懐古主義を克服する上でも決定的な要素となりうる。
ラ・マシアのコーディネーターを務めた経験があるあるアルベルト・カペラスは言う。
「ヤマルは一時代を築く選手になれる。人を惹きつけ、魅了する。ファンは彼のプレーを見るためにチケットを購入し、テレビをつける。そんな中でも、ヤマルはプレッシャーを感じず、プレーを楽しみ、決して逃げ隠れすることなくボールを要求し、責任を負うことを好む。だからチームメイトは常に彼を探している。個性が強く、精神的に成熟している」
2021年の会長選で、ジョアン・ラポルタはサンティアゴ・ベルナベウの近くに「あなたたちにまた会いたい」と記された巨大な看板を立てた。「我々とともに過去の栄光を取り戻そう」とファンに訴えたわけだが、ヤマルの出現で状況は変わりつつある。
少なくともバルセロニスタは、現在と未来に希望を抱くことができるようになった。その2021年、ヤマルはまだインファンティルA(U-14)で所属していた。それが、彼が同年代の選手たちと一緒にプレーした最後の年だった。そしてEUROでの大活躍に至るまでの破竹の快進撃が始まったのだ。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
【記事】「やべぇな。怪物いるな」内田篤人が27歳の“小柄な司令塔”を絶賛!「すごいね。日本人の生きる道」
【記事】「彼氏かと思った」「照れ笑いがカワイイ」なでしこ長野風花、リバプール蘭代表FWと“カップルのような2ショット”にファン驚き!「凄すぎる」「代わりたい」
【画像】小野伸二、セルジオ越後、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「 J歴代ベスト11」を一挙公開!