マンガの実写化では、さまざまな場面に関して原作通りに再現されるのか、不安視されてしまうことも少なくありません。しかし、俳優の身体を張った演技や最新映像技術によって、再現はあきらめていた場面が描かれたこともありました。
ドラマ『ガンニバル』キービジュアル (C)2023 Disney
【画像】えっ…? 「子供をがぶりと」「実は演じてるのはイケメン俳優」 こちらが実写でも怖すぎる『ガンニバル』の「あの人」です
脳裏に焼き付きすぎて忘れられない「食事」シーン
荒唐無稽な設定だったり、過激すぎる表現が含まれていたりするマンガ作品の実写化は、原作を忠実に再現できるとは限りません。しかし、原作ファンが「再現できるわけがない」と思っていた衝撃的な場面でも、俳優の演技力や映像技術、制作陣の覚悟によって見事に再現された作品もあります。特に「配信限定」の作品では、まさかのシーンの再現が話題を呼びました。
『ガンニバル』
二宮正明先生のマンガ『ガンニバル』は、動画配信サイト「Disney+」にて2022年に柳楽優弥さん主演で実写ドラマ化されています。「人食い」の風習が残る集落を舞台にしており、たびたび過激なシーンが登場するため、ディズニーの配信プラットフォームで実写化されること自体が話題を呼びました。
同作は人肉食以外にも、崖から人を突き落としたり、子供の前で銃で人を殺したりと過激なシーンが多くあります。そのなかでも、第7話終盤に行われる儀式のシーンが衝撃的でした。毎年の奉納祭で子供が生贄として捧げられ、幼い子供が手足を縛られた状態で泣き叫びながら祭壇に祀られます。
そして、「後藤家のあの人」と呼ばれる、謎の老人に顔の半分を食べられてしまうのです。この場面は原作でも痛々しく、実写化だと子供の悲痛な叫び声や嫌がって逃げようとする姿がよりリアルに描かれ、観ているだけで苦しくなったという人が続出しました。
SNS上では、「子供が本気で嫌がる姿がトラウマすぎる」「あまりに惨すぎて薄目で見るのが限界」と、過激すぎる場面を直視できなかったという声も数多くあります。配信限定で、さらに15歳未満は観られない指定にしたこともあって再現できた衝撃シーンでした。
放送時期は未定ですが、シーズン2以降で描かれる物語では村で起きる事件がより苛烈になるため、過激な描写も増えそうです。
『七夕の国』
『七夕の国』は『寄生獣』で知られる岩明均先生の同名マンガが原作で、2024年7月から「Disney+」にて細田佳央太さん主演で実写ドラマが配信されています。謎の球体にえぐられる怪事件が起こる日本を舞台に、実用性ゼロの超能力を持つ平凡な大学生「ナン丸(演:細田佳央太)」が、怪事件の真相を追う物語です。
同作はファンから「CGで球体を表現したらチープになってしまう」と不安視され、映像化が難しいといわれていました。しかし、作品のテーマである謎の球体が人体や建物をえぐる場面は、VFXで違和感なく再現されています。また、たびたび登場する超能力によって人体の一部がえぐり取られる場面では、そこから血が垂れてきたり、人肉が見えたりと、原作のグロテスクな描写に関しても忠実に表現していました。
ネット上では「独特な世界観や黒い球体のフォルムが原作通り」「エグられた描写が2次元から3次元になってよりグロく感じる」と、好評の声があがり、作品全体の評価としても「映画で短くまとめず、10話構成にして原作ほぼ再現していて素晴らしい」「20年以上前の作品を現代版に違和感なく実写化していた」と称賛されています。
『今際の国のアリス』
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』は、麻生羽呂先生による人気コミックスを原作としたサバイバルサスペンスドラマです。「アリス(演:山崎賢人)」と「ウサギ(演:土屋太鳳)」が異次元の東京に迷い込み、生きるか死ぬかの「げぇむ」をクリアしながら現実世界に戻るために「今際の国」の謎を追う物語が描かれます。
同作のシーズン2では、クラブのキング「キューマ(演:山下智久)」が登場したシーンに衝撃を受けた人も多いでしょう。5対5のチーム戦で互いのポイントを奪い合う「すうとりげぇむ」の回では、山下さんは全裸で撮影に挑み、スリル中毒でヌーディストである原作通りのキャラを忠実に再現したのです。
2023年7月にNHK総合「あさイチ」に生出演した山下さんは、新たなチャレンジだと思って撮影に取り組んでいたことを明かしました。また「令和のダビデ像」と話題になるほど鍛え上げられた肉体は、わずか4か月で仕上げたとも語っています。
山下さんの身体を張ったシーンは話題になり、「山Pの全裸に持ってかれて内容覚えてない」「大事な部分の隠し方にもレパートリーがあるのが面白い」「ここだけ登場のキャラでこのクラスのスター連れてくるのスゴ」「あの端正な顔で全裸だと余計異常さが際立つ」と、多くの視聴者を驚かせ、楽しませました。