現地8月10日(日本時間11日、日付は以下同)に行なわれたパリ五輪の男子バスケットボールの決勝は、アメリカが開催国フランスを98-87で下し、大会5連覇を達成。ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)は男子バスケットボール競技においてオリンピック史上最多となる4つ目の金メダルを手にした。
金メダル4つのデュラントに次ぐのが、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)とカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)の3つで、この3選手はオリンピックにおけるアメリカ代表の通算得点でもトップ3にランク。1位はデュラントの518得点(平均18.5点)、2位がレブロン(358得点/同11.9点)、3位のカーメロが336点(同10.8点)となっている。
その一方、NBAの優勝回数ではレブロンが4度、デュラントが2度、カーメロはゼロとその差は歴然。世界最高峰のリーグで頂点に立つには、個々の実力やチームの戦力はもちろん、ある程度の運も必要になってくる。
そんななか、今月9日に公開された『BasketNews』のポッドキャスト番組へカーメロが出演。19年間のNBAキャリアで歴代10位の通算2万8289得点をマークするなどスコアラーとして鳴らしたカーメロだが、ファイナルの舞台には1度も立つことができなかった。
番組内では「オリンピックの金メダル3つとNBAのチャンピオンリングをトレードするか?」という“究極の質問”が飛び、カーメロは次のように答えた。
「嫌だね。世界的で知られるグローバルスポーツについて話すなら、俺にとってのメダルはNBAのチャンピオンシップとは全く異なるものなんだ。どちらも異なるものではあるが、金メダルを勝ち獲ることはパッション、プライドであり、(NBAチームの本拠地がある)街や州だけじゃなくて国全体を指す。自分の国のために勝って得られるものだ。
だからもうレベルが違うのさ。胸にUSAが入ったユニフォームを身にまとって戦うプライドがある。胸にNew Yorkと刺繍されたニックスのユニフォームでプレーするのとは段違いのものなんだ」
NBAの優勝経験こそないものの、カーメロはシラキュース大1年時の2003年のNCAAトーナメントでチャンピオンに輝き、オリンピックでは4つのメダル(金3、銅1)を獲得しており、バスケットボール殿堂入りは確実視されている。
そしてカーメロは、アメリカ代表のオリンピック1試合最多得点記録(37)を保持する。長年チームUSAの主力を務めてきたことは、自身のプロキャリアの中でも特別な思い出のようだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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