敗れはしたが健大高崎バッテリーが躍動。大阪桐蔭・森も来年が楽しみな逸材【甲子園8日目の注目ドラフト候補】

 大会8日目は、すべての学校が2度目の登場となった。初戦に続いて高いパフォーマンスを見せたのが健大高崎の箱山遥人(3年・捕手)だ。打撃ではノーヒットに終わったものの、あわや柵越えかという特大のレフトフライを放ち、長打力をアピール。守備でも素早いスローイングで盗塁阻止と一塁への牽制で2つの補殺を記録した。残念ながらチームは敗れたが、U-18侍ジャパンでも扇の要として期待がかかる。

 投手では石垣元気(健大高崎)、森陽樹(大阪桐蔭)の2年生2人が、負け投手になったとはいえともに高いポテンシャルを見せた。1回戦と同様に走者を背負った場面でリリーフした石垣は、三振を奪ってピンチを脱出。最速152キロをマークしたストレートと鋭く変化するフォーク、そしてカットボールを武器に、5回途中1失点、5奪三振と好投を見せた。スピードがありながらもストレートがミートされやすいのは気になるところだが、昨年秋→今年の春→夏と順調に成長を見せており、来年こそは佐々木朗希(現・ロッテ)以来となる高校生での160キロ超えも期待がかかる。
 
 一方の森は今大会初登板。先発のマウンドを任されて味方のエラーで2点は失ったものの、7回を自責点0、8奪三振と見事なピッチングを見せた。この日の最速は149キロで、150キロの大台には届かなかったが、長いリーチを生かした豪快な腕の振りで、数字以上に手元での勢いが感じられる。

 カットボールなど変化球の精度も選抜と比べて上がっているように見え、走者を背負っても落ち着いたピッチングだった。全体的に外角中心の配球で、内角に速いボールが来ず、緩い変化球の時に腕の振りが緩むなどまだまだ課題はあるものの、スケールの大きさは抜群だ。来年は石垣とともにドラフト戦線を賑わせる存在になる可能性は高いだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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