毎週子供たちを楽しませたアニメ作品でも、劇場版ではかなり過激な内容を描くものも少なくありません。時には「油断して観ていたら衝撃を受けた」といったこともあるでしょう。
ブロリーの崩壊シーンはみんなのトラウマ? 画像は『DRAGON BALL THE MOVIES #11 ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』DVD(東映) (C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (C)東映・集英社・東映アニメーション
【画像】え…ッ? 「おげぇ」「勘弁して」 こちらが『ドラゴンボール』のみんなのトラウマ「バイオブロリー」です
油断して観ていると危険?
映画はTV番組と異なり、比較的自由度が高く、全年齢を対象としていても、過激な内容を描いた作品が少なからず存在します。アニメ映画でも過激な作品は多々あり、なかにはTV放送で多くの人に親しまれたアニメの劇場版で、トラウマ級の内容のものもありました。
2006年に公開された『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』も、知る人ぞ知るトラウマ作品です。『クレヨンしんちゃん』は劇場版だけでなく、TV放送でもたまに背筋の凍るようなホラー回がありましたが、同作の恐怖演出は特に図抜けており、観た人に強烈なインパクトを与えました。
同作は黒幕の「アミーゴスズキ」が街中の人間にサンバを踊らせるべく、住民たちをニセモノに入れ替える「世界サンバ化計画」を実行します。これによって「風間君」のママが口裂け女のようになったり、「ミッチー」の顔がぐちゃぐちゃになったりと、おなじみのキャラがトラウマ級の姿に変貌してしまいました。
物語の終盤までほとんどユーモラスさよりも怖い展開が優先されるため、子供だけでなく大人でもトラウマになってしまう人が続出しました。ちなみに地上波で放送された際は、一部シーンがカットされるという前代未聞の扱いを受けています。
また、国民的人気作『ドラゴンボール』の劇場版で、1994年に公開された『ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』は、一部でトラウマ映画として有名です。その理由は、同作に登場した「ブロリー」の衝撃的な姿にありました。
劇場版の敵として有名で、人気キャラであるブロリーですが、彼は前作にあたる『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』で、「孫悟空、悟飯、悟天」の「親子三大かめはめ波」によって倒されています。しかし戦いの舞台となった「ナタデ村」の祈祷師が血液を採種しており、科学者たちのバイオテクノロジーでクローン体として復活するのでした。
ただ同作のブロリーは空気に触れた培養液に冒され、かつての面影のないゾンビのような姿になってしまいます。悟空や「ベジータ」とは違う特殊な変身、「伝説の超サイヤ人」という肩書き、何より圧倒的な強さでファンを虜にしていたブロリーが、ヘドロまみれの化け物「バイオブロリー」になってしまったことは、当時多くの人に衝撃を与えました。
バイオブロリーに関して、ネット上では「おれたちのブロリーが……」「あんなに人気でカッコいい敵キャラをゾンビにして出すって、今なら絶対ない展開だよな」「いまだにバイオブロリーがトラウマで、どろどろしたものが流れるのを見ると泣きそうになる」などなど、多くの意見が飛び交っています。
また、もともとのTVシリーズも大人向けな内容だったものの、1997年に公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』も、トラウマ劇場版として有名です。同作は無防備な「惣流・アスカ・ラングレー」に対する主人公「碇シンジ」の「最低」な行為から始まり、「葛城ミサト」と「加持リョウジ」の濡れ場など過激なシーンのオンパレードでした。
またアスカが搭乗する「エヴァンゲリオン弐号機」が、「量産機」によって鳥葬のごとく捕食されるグロテスクなシーンも衝撃的です。ほかにも精神的にくるシーンが盛りだくさんとなっており、同作は年齢制限がないのが不思議なくらいの、屈指のトラウマ作品として有名になりました。こちらも2014年にTV放送された際、一部の場面のカットや差し替えが施されています。
アニメ全盛のこの時代、観る人の心をえぐるトラウマアニメは今後も出てくるでしょう。ある程度の覚悟を持って観る必要がありそうです。