この度、厚生労働省から2023年分の平均寿命と平均余命が記載された「令和5年簡易生命表」が発表され、日本人の平均寿命は男性では81.09年、女性では87.14年と、男女ともに3年ぶり前年を上回ったとのことです。

世界の寿命の上位ランキングでは、日本男性はスイス、スウェーデン、ノルウェー、オーストラリアに次いで第5位、女性はなんと1位。このように長寿国の日本ですが、長寿と短命を分ける食生活の違いとは一体何なのでしょうか?

今回は、長寿の人に共通する摂取量が多い傾向にある「タウリン」と「イソフラボン」という2つの物質について深堀していきます。

出典:厚生労働省 令和5年簡易生命表 概況版
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-15.pdf

「タウリン」と「イソフラボン」が長寿に関係!?

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世界各地の長寿地域に足を運び、現地の食事と健康の関係を調査した京都大学名誉教授の家森幸男先生は、長寿の人に共通する傾向として「タウリン」と「イソフラボン」という2つの物質の摂取量が多いことを発見したとのこと。「タウリン」は主に魚介類から豊富に摂取できる栄養素で、「イソフラボン」は大豆から摂取できる栄養素です。

長寿を目指すために推奨される食事習慣について、家森先生の解説をご紹介します。

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魚介類に多い「タウリン」とは?

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魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種で、魚やイカ、タコ、牡蠣などに豊富に含まれるタウリン。

タウリンは生物が海から陸に上がった時に必要とした成分で、細胞の浸透圧を調整します。干潮時に海水がなくなった場所でも生き延び、淡水と海水が混じる汽水域でも繁殖する貝類にはタウリンが多いことがわかっています。

タウリンは細胞から健康を維持する非常に重要な成分。体内で合成もされますが、微量であり、不足分は食事からとる必要があるとのことです。

長寿を目指すならば、できるだけ魚介類を積極的にとるのがおすすめですよ!

また、コロンビア大学の研究チームが発表した研究結果によると、タウリンにアンチエイジング効果があることが判明。

さらに、

タウリンの24時間尿中排泄量を世界60数地域の健診で分析したところ、50代前半の男女でタウリンの少ない第1分位の人々は、最も多い第5分位の方に比べ、肥満・高脂血症・高血圧は2.9、1.9、1.3倍多く、タウリン摂取の低下が生活習慣病のリスクであることが示されました。