『【推しの子】第2期』や『しかのこのこのここしたんたん』といった話題作はもちろんですが、2024年の夏はダークホース的なアニメも見逃せませんよ。



アニメ『真夜中ぱんチ』キービジュアル (C)2024 KADOKAWA/P.A.WORKS/MAYOPAN PROJECT

【画像】うわ、過激! こちらは強烈な拳をお見舞いする『真夜中ぱんチ』美女です(4枚)

見逃してない? 夏のダークホースアニメ

 夏クールのアニメも中盤に入りましたが、みなさんはお気に入りの作品を見つけられたでしょうか? 今期は『【推しの子】』第2期がさすがのクオリティを見せるなか、『逃げ上手の若君』『キン肉マン 完璧超人始祖編』『負けヒロインが多すぎる!』といった作品も放送前の期待以上に楽しんでいる人も多いでしょう。

 もちろん、こうした作品以外にも、予想外の面白さを見せているダークホースアニメも少なくありません。その代表的な例は『しかのこのこのここしたんたん』でしょうが、ほかにも「思わぬ伏兵」的な夏アニメは存在します。

『義妹生活』

 2024年の夏はラブコメ及び恋愛アニメが多く、それぞれに面白いアプローチをしているのが印象的ですが、なかでもユニークなのが『義妹生活』です。高校生の「浅村悠太」が父の再婚をきっかけに、同い年の少女「綾瀬沙季」やその母とひとつ屋根の下で暮らす、というストーリーだけ見ると「よくあるラブコメか」となりそうなものですが、1話だけでも観れば本作の異様さが分かるでしょう。あまりほかのTVアニメでは見られないほど物静かで、とにかく丁寧な映像でした。

 それが互いに思慮深いものの、突然「義理の兄妹」になった悠太と沙季の微妙な距離感にぴったりです。派手な作画や演出もいいものですが、1カットに込もるスタッフの意図をじっくり推測しながら見られるようなこういうスタイルもいいなと思わされます。最新話付近でいよいよふたりの距離感が変化しそうな兆しが見えてきましたが、それがどんな風に描かれるのかは今夏の大きな注目ポイントです。

『真夜中ぱんチ』

『真夜中ぱんチ』は動画投稿少女の人間「真咲」と、彼女の身体を求めるヴァンパイアの「りぶ」がタッグを組んで動画撮影を行っていく作品です。本作の第3話まではテンション高めのコメディでしたが、羊宮妃那さん演じる「譜風(ふう)」がメインの第4話はグッと泣けるエピソードで、一気に作風の幅を広げて今後への期待を高めてきました。

 人気ゲームが原作の『天穂のサクナヒメ』やストレートな女子高生の青春もの『菜なれ花なれ』とともにアニメ制作会社のP.A.WORKSによる「夏の三部作」として扱われることもある『真夜中ぱんチ』は、Xのフォロワー数は8月中旬次点で1.6万人強とそれらに比べると少なめでした。真咲が目指す登録者数100万人……は過言かもしれませんが、もう少し話題になってもいい作品ではないでしょうか。

『NieR:Automata Ver1.1a』第2クール

 遠い未来の地球を舞台に、宇宙から飛来してきたエイリアンらの軍勢と、絶滅の危機に陥り月に逃げのびた僅かな人類が派遣するアンドロイドの兵士の戦いを描く『NieR:Automata Ver1.1a』も第2クールに突入しました。と、ここまで書いた設定だけでも少し難解で、さらに第2クールということで視聴を諦める人もいるかもしれませんが、それはもったいない! 大きなネタバレとなるため詳細は伏せますが、第2クールの序盤から衝撃展開続きでメインキャラクターの「2B」や「9S」があんなことになり、さらに意外な真実が明かされ……とものすごい盛り上がりを見せています。

 最近は本作のように続編放送前のクールに前作が再放送されたり、前作のダイジェスト映像が公開されたりすることもありますが、それでもハードルの高さを感じる人も多いでしょう。同じように第2クール目も面白い作品として『女神のカフェテラス』や『貼りまわれ!こいぬ』などがあります。いずれも夏休みを活かして前クールを復習してでも追いつく価値は十分にありますよ。