昨年の女子ワールドカップと同じく、パリ五輪でもベスト8で敗れたなでしこジャパン。この結果を受け、識者の河治良幸氏は「辛めに評価せざるを得ないです」との見解を示した。
「アメリカを相手に延長戦まで戦ったことは素晴らしいです。ただ、あの戦い方、アメリカの強みを消して弱みを突くスタンスを貫いたのであれば、結果を出して欲しかった。グループステージの戦い(対戦相手はスペイン、ブラジル、ナイジェリア)を見ても、選手個々のポテンシャルを引き出せていたかと言うとそうではありませんでした」
アメリカ戦に限らずスペイン戦も、なでしこジャパンは“引いて守る戦い方”を余儀なくされた。
「アメリカのようなレベルの相手と対戦する時にこの戦い方しかないとなると、おそらく国際舞台ではそういう試合を3つ以上やらないといけなくなる」
いわゆる“我慢の戦い”を強いられるわけだが、河治氏曰く「本来、なでしこジャパンが得意とするところではない」。
「(カウンターを仕掛ける時も)スピードで強豪国の選手を日本人のアタッカーが上回るのは難しいです。今、なでしこジャパンには宮澤ひなたというスピードスターがいて、昨年の女子ワールドカップのスペイン戦では彼女が軸の速攻がハマりました。ただ、一度は相手の裏をとっても追いつかれてしまうケースが多い。そこからさらに上手く繋げればという形になってしまうので、そういう戦い方で五輪、ワールドカップで頂点を狙えるかは難しいところです」
リアリズムを追求した戦い方が悪いわけではないが、ポゼッション寄りのサッカーこそなでしこジャパンには合っているのではないか。
いずれにしてもチャンスの局面でどうフィニッシュに持ち込むか。その点で個の能力が重要になる。河治氏は言う。
「個で一番面白いタレントは千葉玲海菜選手。日本のロッドマンは誰かと言えば、彼女です。ただ、パリ五輪では味方といまひとつ噛み合ってなくて…。もっと活かし方があったと思います」
個の部分で及ばなかったのが、アメリカに敗れた一因だろう。河治氏も「シンプルにアメリカの選手と比べると、スピード不足、フィジカル不足は晒されてしまいます」と話していた。
構成●サッカーダイジェストTV編集部
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