マンガ作品の実写化において、キャラクターの再現度は評価されるポイントのひとつです。独特の魅力で再現が難しいといわれるキャラもいるなか、原作ファンも絶賛するほどのクオリティで大きなインパクトを残したキャストがいました。



山田裕貴がドラケンを演じた『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-』キャラクタービジュアル (C)和久井健/講談社 (C)2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

【画像】え…っ?「マイキーとドラケン並ぶと圧巻」「みんな似すぎ」 こちらが実写『東リべ』キャラたちです(4枚)

期待以上?迫力ありすぎて目が離せない

 マンガの実写化では、魅力的なキャラクターを再現するキャスト陣に注目が集まります。原作のキャラを忠実に再現されていると、ファンにとってもうれしいもので、なかには「まんま過ぎる」と絶賛を受けたキャラもいました。

『キングダム』王騎(演:大沢たかお)

 中華統一を志す秦王「エイ政(演:吉沢亮)」と、天下の大将軍を目指す少年「信(演:山崎賢人))を中心に描かれた歴史ロマン作品『キングダム』(原作:原泰久)は、2019年に初めて実写映画化されて大ヒットし、2024年7月12日には第4作の『キングダム 大将軍の帰還』が公開されました。このシリーズで特に絶賛された大沢たかおさんは、かつての秦国六大将軍のひとり「王騎」を演じています。

 伝説的大将軍である王騎は、筋骨隆々とした体型や圧倒的な存在感でひときわ目を引くキャラです。「ンフゥ」「ココココ」といった独特な笑い方、話し方をはじめ、チャームポイントの分厚い唇など唯一無二の風貌で、原作ファンから「特に実写化が難しいのでは」と言われていました。

 ファンからは、トレーニングで20kg以上増量した見た目の再現度だけではなく、大沢さんの迫真の演技に「完全に目を持っていかれた」「原作からそのまま出てきたみたい」など、称賛の声があがりました。肉体改造に励みすぎて、衣装を4回以上作り直したそうです。

  大沢さんは「体を大きくすることは役を作る上での1~2割くらい」と語っています。肉体改造をしながら、1年ほどの準備期間に「王騎」というキャラクターを分析し、その魅力や精神性を突き詰める努力をかかさなかったそうです。トレーニングだけでなく、王騎を深く理解するために時間をかけて努力したからこそ、原作ファンも魅了する王騎が再現されたのでしょう。

『東京リベンジャーズ』ドラケン(演:山田裕貴)

 半グレ同士の抗争に巻き込まれて死んだ元恋人を救うため、中学生時代とのタイムリープを繰り返す主人公の奮闘を描いた『東京卍リベンジャーズ』(原作:和久井健)は、2021年から実写映画が3作公開されています。

 こちらのシリーズもキャストの再現度が絶賛され、特に山田裕貴さん演じる「龍宮寺堅(通称:ドラケン)」は話題になりました。ドラケンは、主人公「花垣武道(演:北村匠海)」が所属する不良グループ「東京卍會」の副総長です。金髪に刈り上げという奇抜で強面な見た目ながら面倒見のいい兄貴肌で、硬派な一面や懐の深さから多くのファンを魅了しています。

 実写映画が公開されると、山田さん演じるドラケンは「はまり役すぎる」「みんなドラケン推しになるでしょってくらいカッコイイ」「原作で中学生(実写版では高校生)なのに、30過ぎの大人が演じてると思えないくらいそっくり」と、SNS上で話題になりました。山田さん自身が原作及びドラケンの大ファンだそうで、そのビジュアルを再現するために、地毛で挑戦することを申し出て側頭部を剃り、髪形を再現したそうです。その断髪式の様子は、YouTubeの「ワーナーブラザーズ 公式チャンネル」で観ることができます。

 また、もともと178cmある山田さんは長身なドラケンの体格を再現するため、さらに15cmのインソールを履いて撮影に臨んだことも明かされています。不良たちが入り乱れる激しいアクションシーンも多いなかでビジュアルまでぬかりなく再現され、ファンの絶賛する実写のドラケンが作り上げられました。



尾形の独特なキャラを細やかに再現した眞栄田郷敦のキャラクタービジュアル (C) 野田サトル/集英社 (C) 2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

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見せ場は少ないのに再現度のインパクトがすごい

『ゴールデンカムイ』尾形百之助 演:眞栄田郷敦

 明治時代末期の北海道を舞台に、アイヌが隠した埋蔵金の争奪サバイバルバトルを描いた『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)は2024年1月に実写映画が公開され、大ヒットを記録しました。原作に忠実なストーリーや世界観、そして各キャラのキャストの細かい再現も絶賛を集めています。

 映画では出番は少なかったものの、眞栄田郷敦さんが演じる「尾形百之助」も賞賛されたひとりです。主人公「杉元佐一(演:山崎賢人)」が敵対する大日本帝国陸軍第七師団の上等兵で、卓越した射撃の腕をもつ軍人の尾形は、感情を表に出さないミステリアスさと、時折見せるかわいらしい一面でファンを引きつけてやまない、作中屈指の人気キャラでもあります。

 実写版の尾形はストーリー上登場シーンが限られており、セリフも少ない役どころでした。しかし、黒々とした瞳にポーカーフェイスというビジュアルをはじめ、ふとした仕草や行動ひとつにまで尾形らしいエッセンスが取り入れられ、観客に大きなインパクトを残しています。

 たとえば、杉元とのアクションシーンでのナイフの構え方、2000m先まで狙撃できると豪語する、尾形の特徴的な銃の構え方や撃ち方まで再現され、「尾形の完コピ」「坊主時代の尾形の若干のモブ感まで再現されてて笑える」と評価されました。

 銃を扱ったことがほとんどなかった眞栄田さんは、銃が体の一部のように扱えるよう、常に触れたり扱い方を練習したりなど、役作りにストイックに励んでいたそうです。ただ原作で尾形が本格的に暗躍をはじめるパートは映画で描かれておらず、原作ファンおなじみの「オールバック」の姿も、まだキービジュアルでしか披露されていません。

 2024年からWOWOWで放送予定の『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』では、「土方歳三(演:舘ひろし)」たちと戦いを繰り広げたり、杉元たちと行動をともにしたりと、尾形の出番が本格的に増えます。彼の過去もだんだんと明らかになるなか、眞栄田さんがどんな演技を見せるのか注目です。

※山崎賢人さんの「崎」は正式には「たつさき」