新日本プロレス真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス34』8.15 千葉・幕張メッセ 国際展示場9ホール大会を開催した。
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今年の『G1』はAブロック、Bブロックともにリーグ戦による公式戦が終了。各ブロック上位3位までの選手が優勝決定トーナメントに駒を進めた。このトーナメントは、プロ野球のクライマックスシリーズのようにまず2位と3位の選手が幕張大会で対戦し、その勝者が8.17東京・両国国技館大会で開催されるセミファイナルステージで1位の選手と対戦。セミファイナルを勝ち上がった二人が8.18両国大会でファイナルステージとして優勝決定戦を行なう。
Aブロックはザック・セイバーJr、Bブロックはデビッド・フィンレーが1位通過しており、今大会ではAブロック2位の鷹木信悟が同3位のグレート-O-カーンと、Bブロック2位のKONOSUKE TAKESHITAが同3位の辻陽太と対戦した。
まず鷹木とオーカーンが対戦。鷹木は公式戦でオーカーンに勝利しており、オーカーンは下剋上を掲げていたが、肉弾戦の結果、鷹木のラスト・オブ・ザ・ドラゴンが決まりカウント3。鷹木がオーカーンに連勝してセミファイナル進出を決めた。
会場からはオーカーンへの声援も目立っていたが、これで鷹木戦5連敗となってしまったオーカーンは「これで5連敗。いい加減、トラウマになりそうだ。当たり前だけど、負けたら楽しくねえな。だから、勝つまで立ち上がる。あの大オーカーンコールが、耳から離れねえんだ……」と前を向いて控室へ。
勝った鷹木は「オーカーン、強かったよ。リーグ戦で当たった時とは、また違ったオーカーンだった。いつも言うけどよぉ、練習中のスパーリングだったら、何度タップしてるかわかんねえぞ。だがこれは試合だ。負けられない試合だ」とオーカーンの実力を認めながらも最後は諦めない気持ちが上回ったようだ。セミファイナルの相手は公式戦では勝っているザックだ。
「正直苦手な相手だけど、いつも言ってるじゃねえか。ザックだろうが、ジェイクだろうがジャックだろうが、このランペイジドラゴンが、全て食ってやるぜ。あと2つ!」とジュニア時代以来となるファイナル進出に向けて突き進んでいく。
続くメインイベントではTAKESHITAと辻が対戦。こちらは公式戦でTAKESHITAが規格外な強さを発揮して辻に勝利を収めている。新世代対決の再戦となったが、この試合でもTAKESHITAは身体能力の高さを辻にぶつけていく。しかし身体能力では辻も負けていないだけに、お互いに引かない互角の勝負の中、試合は終盤へ。最後はお互いに隙を見せないスリリングかつスピーディーな攻防の末、辻がジーンブラスターを決めてカウント3。公式戦のリベンジを果たし、セミファイナル進出を決めた。
試合後、TAKESHITAは涙を浮かべながら「外敵で、AEW/DDTから『ジ・アルファ』として来て、いろんなもん背負ってきたけどよぉ、公式戦が進むにつれて、新日本プロレスのファンの人たちの応援も、TAKESHITAコールもデカくなってきてよぉ、いつの間にか、DDT/AEWだけじゃねえ、新日本プロレスも、日本のプロレス界全部を背負って闘うつもりで、新日本プロレスのファンの人たちの支持が大きくなるたびに、やっぱり、竹下幸之介がやってきたプロレス、何も間違ってねえって、俺の信じてきたプロレス、何も間違ってねえって、そう思えるようになった。またアメリカ帰って、いろんなもん背負って、AEWのリング、立ってくるよ。オイ、辻陽太、辻陽太だけじゃねえ、俺に勝ったヤツらいるよな。オメーらだけじゃねえぞ。何度も言ってるように、棚橋弘至、そして、ゲイブ・キッド。『俺と決勝で会おう』って言ってくれたザック・セイバーJr.。またいつか会おうぜ」とさらに強くなって戻って来ることを約束した。
辻は「TAKESHITA……正直言って、お前は凄いよ。メチャメチャすげえ。こんなヤツが、日本人でいると思わなかった。お前はさあ、自分自身で『世界を見てる。だからアメリカで俺はプロレスをしてる』っていうんだろ?でもさ、俺からしたら、世界一はここ、新日本なんだよ。俺はこの新日本に誇りを持ってプロレスやってんだ。どうだ、お前は感じたか? この新日本プロレス、スゲエだろ? 俺の率直な思い。正直、アメリカAEWでプロレスしてるお前よりも、この新日本で闘ってるお前の方が、俺にはよっぽど魅力的に見えたぜ」とTAKESHITAの強さを認めたのかニヤリ。
さらに「まあでも、これで1勝1敗だ。お互いプロレスをやってれば、またどこかで出会うことがあるだろうよ。その時には、お互い(腰のベルトを巻く仕草をして)持つもの、背負うものが増えてるだろうな。いつかお前と一緒にバーベルを挙げられる日を楽しみにしてるよ」と次はお互いにトップになってお互いのタイトルを懸けて闘いたいことを示唆した。
辻はセミファイナルでデビッド・フィンレーと対戦する。フィンレーには公式戦で勝利をしており、バレットクラブWAR DOGSのリーダーでIWGPグローバル王者のフィンレーにとってはラフファイト全開でリベンジを狙いに来るはずだ。辻は鷹木とのロスインゴ同門対決による決勝を制して春の『NEW JAPAN CUP 2024』に続いて春夏制覇を狙っているだけに、ここは絶対に負けられない試合となる。新日本にとっても新世代の台頭は急務なだけに、暑い夏に新しい風を吹かせてもらいたい。
◆新日本プロレス◆
『G1クライマックス34』
2024年8月15日
千葉・幕張メッセ 国際展示場9ホール
観衆 1111人
▼『G1クライマックス34』優勝決定トーナメント・ファーストステージ(時間無制限1本勝負)
【Aブロック2位】○鷹木信悟(20分50秒 片エビ固め)グレート-O-カーン●【Aブロック3位】
※ラスト・オブ・ザ・ドラゴン
▼『G1クライマックス34』優勝決定トーナメント・ファーストステージ(時間無制限1本勝負)
【Bブロック2位】●KONOSUKE TAKESHITA(21分30秒 片エビ固め)辻陽太○【Bブロック3位】
※ジーンブラスター
文⚫︎どら増田
【動画】辻陽太vs KONOSUKE TAKESHITAの激闘をチェック
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