今季明るい兆しのラドゥカヌは「絶対に正しい方向に進んでいる」同胞の英雄ヘンマンが全米オープンに向け期待!<SMASH>

 男子テニス元世界ランク4位のティム・ヘンマン氏(イギリス/49歳)がイギリスのテニスメディア『Tennis365』のインタビューに登場。その中で今季復調の兆しを見せている女子元世界10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/世界71位/21歳)について言及し、「今後大きな結果を残す 」と期待を寄せた。

 2021年の全米オープンで四大大会初優勝を果たし一躍脚光を浴びたラドゥカヌ。しかし昨季4月以降は、両手首と足首のケガによりツアーを離脱。そして今季1月に約9カ月ぶりのカムバックを遂げ、復帰後は苦戦が続いていたものの、最近は徐々に復調してきている。

 6月の「ロスシー・オープン」(イギリス・ノッティンガム/WTA250)でベスト4。母国開催の四大大会「ウインブルドン」(ロンドン/芝コート)ではベスト16に進出。全米オープンの前哨戦の「ムバダラ・シティDCオープン」(アメリカ・ワシントンDC/ハードコート/WTA500)は8強入りを果たした。 

 このほどインタビューに応じたヘンマン氏は、ラドゥカヌの奮闘ぶりを称賛し、全米オープンに向けて「今季彼女が見せたプレーのレベルは、絶対に正しい方向に進んでいることを証明している」と言及。そして今後へ向けて次のように期待を寄せた。
 「彼女が将来大きな結果を残すことは間違いない。ただ、ケガから復帰して以来、12ヵ月間フルにプレーしていない。彼女のランキングやWTA(女子プロテニス協会)レースでのポジションを見ると、出場した大会数が限られていることがわかる。

 もし彼女が12カ月間フルにプレーすることができれば、四大大会で再びシードが付く日も近いと思うし、ビッグタイトルを手にすることができると思う。ウインブルドンでは、本当にチャンスがあった」

 また、ヘンマン氏は、先月現役を引退した元世界ランキング1位のアンディ・マリー、ラドゥカヌらの活躍がジュニア選手たちに良いインスピレーションになっていると語る。

「ラドゥカヌが全米オープンで予選を勝ち抜いて、優勝した姿は本当に素晴らしかったし、彼女が若い選手たち、特にイギリスの選手たちにインスピレーションを与えたことがわかるだろう。マリーの引退を見届けたばかりだが、彼らのような選手がジュニア選手に刺激を与えることは、次のチャンピオンを生み出すために不可欠だ」

 果たして2年ぶりの出場となる「全米オープン」(8月26日~9月8日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)で、完全復活となるきっかけをつかめるだろうか。ラドゥカヌらしいアグレッシブなプレーに期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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