2024年8月17日、FC東京が味の素スタジアムで東京ヴェルディと対戦した。システムはお馴染みの4-2-3-1で、トップ下が荒木遼太郎、CFはディエゴ・オリヴェイラという配置で臨んだ。
試合の入りは悪くなかった。右ウイングの仲川輝人を軸に速攻を仕掛け、3分も経たないうちに2度ゴールに迫ったのだ。しかし、徐々にトーンダウン。東京Vの守備網に引っ掛かり始めると、リズムを失っていった。
トップ下の荒木が自陣でボールを持つシーンが目立った点からも、攻撃が今ひとつ上手くいっていないことが分かった。本来なら彼が高い位置でパスを受けてチャンスを作り出すべきなのに、それをなかなか実践できない。CFのD・オリヴェイラが孤立気味だったのと、荒木の低いポジショニングは決して無関係ではなかった。
また、立ち上がりはボールに絡んだ仲川が前半途中から良い形でパスをもらえなくなった点も、攻撃を停滞させた一因だった。
精度はさて置き、効果的にカウンターを仕掛けていたのは東京Vのほうだ。対するFC東京はどこか一体感がなく、首尾よくセカンドボールも拾えないような、不甲斐ないパフォーマンスだった。結局、裏抜けの動きも少なく、足もとで繋ぐパスが多いから攻撃に厚みも迫力も出ない。
そうした問題点を試合中に修正できない点で、ピーター・クラモフスキー監督の手腕はやはり疑問。攻撃が上手くハマらないのは今に始まったわけではない。優れたタレントはいるのにパフォーマンスが今ひとつ。そう考えると、チームを束ねる指揮官の力量に問題があるとの結論に行き着く。
正直、GK野澤大志ブランドンの好守がなければ、FC東京は負けていただろう。いずれにしても──。
松木玖生が海外挑戦のためチーム離脱以降、FC東京はリーグ戦で4戦未勝利。前節は川崎フロンターレとの多摩川クラシコに敗れ、今節は東京Vとのダービーマッチに引き分けと、とてもリーグ優勝を狙えるような状況ではない。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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