近年は過去にアニメ化されたマンガの再アニメ化が多くなっているものの、時代が変わればアニメで許されるコンプライアンスの基準も変わってきます。再アニメ化で心配になる、「少し危ない」キャラにはどんな人物がいるのでしょうか。



八宝斎が表紙の『らんま1/2』新装版7巻(小学館)

【画像】え…っ? スタイルは変わった? コチラがセクハラジジイ「八宝斎」のターゲットにされた「女らんま」の新旧比較です(3枚)

セクハラやお色気シーンが壁になる?

 すでに放送された『うる星やつら』や『狼と香辛料』のほか、今後放送予定の『YAIBA!』『魔法騎士レイアース』など、かつてアニメ化されて人気を博した作品の再アニメ化が増えており、うれしく思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、かつては許容されていたセクシーキャラやセクハラキャラなどは、現在では許されない可能性が高くなっています。また、「別作品の人物」に似過ぎているキャラも心配な部分です。

八宝斎『らんま1/2』

 高橋留美子先生の往年の名作『らんま1/2』の新アニメは、2024年10月から放送予定です。同作は、水をかぶると女性になってしまう高校生格闘家の「早乙女乱馬」とその許婚「天道あかね」のドタバタな日常を描いたバトルラブコメディで、1989年に最初のアニメ化がされ、大きな人気を得ました。

 再アニメ化にあたって、心配になるのは強烈なスケベキャラ「八宝斎」の存在です。彼は乱馬の使う無差別格闘流の開祖という実力者ながら、セクハラや窃盗などを常習的に行う問題キャラで、コンプライアンス上の問題を抱えています。また、女体化した乱馬へのセクハラ描写が多く、一部のファンからはかなり嫌われていました。

 現在のところ、主要キャストの声優は旧アニメから変更されないことが発表されていますが、八宝斎を演じた永井一郎さんはすでに亡くなっており、後任声優についてはいまだ発表はありません。しかし、新作のキービジュアルには、小さいながらも八宝斎の姿がしっかり描かれています。

 問題を抱えながらも、強烈な存在感を放っていた八宝斎が令和の時代にどのような扱いになるのか、要注目です。

細川美樹『地獄先生ぬ~べ~』

 1990年代に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されていたマンガ『地獄先生ぬ~べ~』は、アニメ化もされて人気を博しました。オープニングテーマ「バリバリ最強No.1」は広く知られているアニソンで、アニメを視聴したことがなくても知っている方は多いのではないでしょうか。

 そんな『地獄先生ぬ~べ~』が再アニメ化されるとの発表があると、SNSでは大きな話題になりました。同作は、コメディやバトル、ホラー描写以外に、お色気要素も魅力のひとつです。

 しかし、主要登場人物の大半が小学生のため、旧アニメと同レベルのお色気シーンは、新アニメで描写するのは難しいとの意見があがっていました。そのなかでも、小学生離れした巨乳を持つ「細川美樹」の描写に関しては、心配する声が多くあがっています。

 細川美樹は、うわさ好きのお調子者でトラブルメーカーですが、情には厚く自分に正直に生きるさっぱりした女の子です。そのスタイルを活かして「お色気キャラ」として振る舞うことが多く、小学生でありながら、下着姿や裸で男子を誘惑する場面も描かれました。

 ファンの間では、令和の新アニメ化で彼女の性格やエピソード、巨乳という設定が変わってしまう可能性もあると考えられているようです。

 彼女だけでなく、昨今のコンプライアンス事情を考えると、『地獄先生ぬ~べ~』の数あるお色気シーンのなかで、小学生がからんだエピソードに関しては昔のようにアニメ化するのは少し厳しいのかもしれません。おどろおどろしいティザービジュアルやPVを見る限りでも、今回はよりホラーの方向にふった作品になるのではないでしょうか。

八ツ目無名異『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』

 1996年にアニメ化されたマンガ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は、実写映画のヒットなどもあって近年も高い知名度を誇っています。そして、2023年に再アニメ化された同作は、2024年10月から第2期である『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』が放送予定です。

 3期以降の製作にも期待が持てる同作で描かれる「人誅編」に登場する「八ツ目無名異(やつめ むみょうい)」に関しては、「そのままのデザインでアニメ化するのは厳しい」という声があがっていました。

 八ツ目無名異は、佐渡金山の金掘り衆に伝わる「人体精製」技術によって、長い両腕両脚、つり上がった大きな目、ギザギザの歯と長い舌という、特異な外見をしています。その布に覆われた頭部のデザインは、『スパイダーマン』に登場する有名悪役(ヴィラン)「ヴェノム」にそっくりなのです。

 アメコミ好きとして知られる原作者の和月伸宏先生は、単行本23巻の「登場人物制作秘話」にて、八ツ目に関して語っています。最初のシルエットの段階では「『X-MEN』のバンダナマスク版のウルヴァリン+『スパイダーマン』のカーネイジ」というイメージだったそうですが、周りからいろいろ指摘を受けて「いっそベノム(ヴェノム)も混ぜてやる!」と考え、現状のデザインになったとのことでした。

 近年は映画「ヴェノム」シリーズの影響で日本での知名度も連載当時より上がったため、八ツ目が再アニメ化される際には「ヴェノムっぽい」デザインが変更されるのではないでしょうか。「人誅編」を実写化した『るろうに剣心 最終章 The Final』でも、成田瑛基さん演じる八ツ目のデザインは大きく変更されており、ネットには「実写映画のデザインも好き」という意見も見られます。

 もしかすると、アニメでは実写映画のようなデザインや、もしくは全く別の格好が採用されるかもしれません。