あることがきっかけで、なかなか治らなかった指しゃぶりの癖がピタリと止まった幼い頃の夫。そのエピソードを聞いた妻は、子供の思いや、親としての子供への向き合い方について考えさせられて……。Instagramで公開されたマンガが、「感動して、涙が出ました」と話題の作者、齊藤詠さんにお話を聞きました。
「子供との向き合い方」について思ったことを描いたマンガのカット(齊藤詠さん提供)
【マンガ本編】なかなか治らなかった「指しゃぶり」の癖が止まった! 理由を聞いて思ったこととは?
ピタリと「指しゃぶり」が止まったのはなぜ?
「子供との向き合い方」について思ったことを描いたマンガが、Instagramで3万以上のいいねを集めて話題となっています。
幼い頃、指しゃぶりをする癖がなかなか治らなかったという夫。しかし当時、母に連れられて行った健康診断をきっかけに、ピタリと指しゃぶりをすることがなくなりました。その理由は……。読者からは、「感動して、涙が出ました」「全力で笑顔を向けてくれる子供に救われること、たくさんありますよね」「これまで以上に、娘を大切にしたくなりました」などの声があがっています。
このマンガを描いたのはInstagramでマンガを発表している、イラストレーターの齊藤詠さんです。齊藤詠さんに、作品についてのお話を聞きました。
ーーこのエピソードは、旦那様から聞いたのでしょうか?
夫は記憶力がないので、まったく覚えていませんでした(笑)。しかし、義母が何でもよく覚えている方なので、たくさん話を聞かせてもらいました。
ーー健康診断では指しゃぶりを注意されたと描かれていましたが、なぜでしょうか?
一般的には歯並びが悪くなり、出っ歯になるかもしれないから、などといわれています。
ーー齊藤さんが子供の頃、お母様の様子を見て、やめた癖や行動などはありましたか?
いま思えば、私の母はかなり育児に追い込まれていたんだな、と感じます。なかなか感情が安定せず、いつも起伏が激しかったです。私が不機嫌な顔を見せるととても怒るので、朝起きて、2階からリビングに降りて行くときは、階段の上で笑顔の練習をしてから降りるような4歳児でした(笑)。
当時の癖というものは特にありませんでしたが、母のために自分を変えようとすることはありましたし、おどけておバカなフリをすることもたくさんありました。とにかく、家族に笑っていてほしかったんです。
ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?
「涙が止まりません」「日々子供たちに、親として成長させてもらっています」「もっと力を抜いて、子供たちと笑って過ごしたいと思いました」などのコメントをいただきました。
ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。
世のお母さんたちが、少しでも「こんな考え方でいいんだ」「しっかりと子供たちから愛をもらっているんだ」と思ってもらえたらうれしいな、と願って描きました。
インターネットやSNSが普及して、情報過多の時代になり、さまざまな育児の情報が流通するなかで、「何が正解か分からない」という混乱が、世のお母さんたちを苦しめている気がします。特に、相談できる人や信頼できる人が身近にいないお母さんたちは、いったい何を頼りに、何を正解として生きればいいのか……。
どうか、「今日も子供を大切に育てているだけで素晴らしい」と、自分に自信を持ち、自分をほめてあげてほしいです。完璧な育児でなくても、完璧なお母さんでなくても、「母が笑顔でいれば、ほかに何もいらない」というぐらい、子供はお母さんのことが大好きなんだと感じています。幼い頃の私が、ずっとそうだったように。
わが家を含め、子供も、大人も、お互いに「ありのままの自分でいい」と思えるような関係を築いていけたらいいなと思っています。