労働寿命と雇用寿命を延ばす必要性
2023年にWHOが発表した世界保健統計において、日本は平均寿命、健康寿命ともに世界ランキング1位となっています。人生100年時代、健康寿命が今後延びていくことを前提にするならば、生活する時間も、働くことが必要な時間も長くなると考えられます。
次に考えるべきは、労働寿命と雇用寿命について、です。あえてここでは2つを明確に分けて考えたいと思います。労働寿命は働くことができる時間、雇用寿命は企業などの組織に雇われる時間、を指すこととします。
万が一、雇用されることが難しい場合でも、自分から個人事業主やフリーランスとして働くことができる場合は、労働寿命を延ばすことができます。
以上のことを考慮すると、究極的には、雇われることを前提にするのではなく、自分で自分の仕事を「創る」ことで、労働寿命を延ばす努力をすることが、今後安心して生活していくためには必要だと考えられます。
文/後藤宗明 写真/Shutterstock
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『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』(朝日新書)
後藤宗明
2024/8/9990円(税込)272ページISBN: 978-4022952653
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人間の労働が代替される「技術的失業」が起きる未来に備え、将来の選択肢を増やすために、何をどう変えていけばよいのか。
著者の実体験なども紹介しながら、より長く働き続けるために今なすべきことを解説します。
【目次】
第1章 定年4.0時代のリスキリング
1.現実味を増す「定年4.0」の世界
2.AIリストラに備えよ!
【リスキリング体験談①】
「夢に向かって」高校教師から次世代金融システムの起業家へ(荒澤文寛さん)
第2章 リスキリングで労働寿命を長くする
1.定年4.0の時代に労働移動を実現する
2.リスキリングにどう取り組むか
3.AI時代に求められる「学際的スキル」
【リスキリング体験談②】
生活保護を乗り越えてシステムエンジニアへ(城間ちあきさん)
第3章 リスキリングを開始・継続するために
1.定年後に向けて40代から始める「5つの投資」
2.「スキルと学び」に投資し、IDスキルの形成を目指す
3.「健康」に投資し、労働寿命を延ばす
4.「お金」に投資し、リスク許容度を上げる
5.「人間関係」に投資し、チャンスを増やす
6.「仕事」に投資し、将来の選択肢と可能性を広げる
7.「リスキリングは何から始めたらよいか?」