第103回全国高校サッカー選手権の応援リーダーが、日本代表FW上田綺世(フェイエノールト/オランダ)に決定した。「今大会は、高校時代での経験、努力をきっかけにJリーグ、欧州リーグ、そして日本代表へと大きく羽ばたいた上田綺世選手に、大会の顔であり、高校生たちの目標となる応援リーダーを務めて頂きます」と説明がなされている。
現在25歳の上田は鹿島学園高時代、第95回大会で2得点を挙げる活躍を見せた。その後に法政大学を経て、鹿島アントラーズに入団すると、2022年にサークル・ブルージュ(ベルギー)に加入し、海外初挑戦。そして昨年から名門フェイエノールトでプレーしている。
日本代表としては、2022年のカタール・ワールドカップに出場。それ以降の第二次森保一監督体制では、最多の12得点を挙げ、エースとして攻撃を牽引する存在となっている。
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【上田綺世から応援リーダー就任にあたって】
――高校3年間を振り返って
「自分がどういう選手になりたいか」をイメージして、「点を取るために」ということを常に意識して、サッカーと向き合って練習に励んでいました。「点を取る」というところに、しっかりアプローチできた3年間だったと思います。最終的に選手権で自分たちが目標としていた結果は得られなかったですが、個人のキャリアとして最も意味のあった3年間だったと思いますし、選手としてのベースはその3年間で培ったと断言できます。ここで身につけたサッカーへの向き合い方、チームメイト、監督、コーチ、スタッフとの関わり方は、その後の人生において大きな糧になっています。
――鹿島学園・鈴木雅人監督から影響を受けたこと
僕の中で一番心に残っているのは「勝負は一瞬」という言葉です。当時、守備もろくにせず、点を取ることだけを考えていたわがままな選手だったんですが、それでも監督はそこを咎める訳でもなく、「勝負は一瞬だから、その一瞬を掴むために常に準備しなければいけないし、お前がその一瞬をものにできるかどうかは結局自分次第」という言葉をもらっていました。当時、その言葉の意味、大切さは十分に理解できていなかったのですが、キャリア積んで今その意味が少しずつ分かってきて、「自分がシュートをあのシーンで決めていれば」と、後悔するのも一瞬ですし、何かを手にするのも一瞬で、その一瞬のために長い時間をかけて準備することの価値の大きさを実感しています。今では、この言葉を心の中に常に持ってプレーしています。
――上田選手にとって全国高校サッカー選手権とは
選手権は僕の高校時代そのもので、進路のために頑張る選手もいるし、プロを目指している選手もいれば、サッカーを続けない選手もいますが、その先に見据える未来は違っても、選手権は全員共通で目指して頑張るものです。高校の最後、自分たちの3年間の全てをぶつける機会は選手権しかないので、ここまでの自分たちの努力や頑張りに報いたいと思ってみんなプレーしていますし、選手としてもチームとしても選手権で結果を残すことを目標に掲げてくるので、特に最後の高校3年生の選手権は特別な思いがありました。実際に全国大会に出場した際は、入場の時にひざが震えるくらい、ものすごく緊張したことを覚えています。
――高校生へのメッセージに込めた思い
「一瞬の大切さ」を高校生の皆さんに共有出来たらと思いますし、自分のそのメッセージを見て刺激を受けて頑張ってもらえれば嬉しいです。大会が終わってからも、その言葉の意味、真意が伝わって、その先の人生に繋げてもらえたら嬉しいなという思いを込めて、このメッセージを発信したいと思っています。
【直近の応援リーダー】
第90回大会 内田篤人
第91回大会 遠藤保仁
第92回大会 三浦知良
第93回大会 川島永嗣
第94回大会 柴崎岳
第95回大会 岡崎慎司
第96回大会 大迫勇也
第97回大会 乾貴士
第98回大会 長友佑都
第99回大会 内田篤人
第100回大会 林大地、前田大然、旗手怜央、上田綺世
第101回大会 中村俊輔
第102回大会 浅野拓磨
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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