アニメを鑑賞していると、たまに主人公が死んでしまう作品に出会うことがあります。なかには、途中退場するだけでなく、主人公やヒロインが死亡し、そのまま物語が終わってしまった作品もありました。
衝撃の展開に呆然とした視聴者も多かった『クロノクルセイド』DVD Chapter.1(角川書店)
【画像】え…っ? 剣心ってこんな顔すんの? こちらが「主人公死亡」で切なすぎる名作です(7枚)
力尽きても宿敵はまだ生きていた?
アニメの結末はハッピーエンドもあれば、まさかの「バッドエンド」を迎えた作品もありました。なかには主人公が死亡してしまい、そのまま幕を閉じた作品もあります。いったいどういった作品なのでしょうか。
※この記事には、アニメの主要キャラの生死に関わる記述がございます。ご了承のうえ、お読み下さい。
『クロノクルセイド』
『クロノクルセイド』は、同題マンガ(作:森山大輔)を原作としたアニメで、2003年から2004年まで放送されました。本作はアニメ放送のみならず、ノベライズやドラマCD化などもされている人気作品です。
第一次世界大戦終結後のアメリカを舞台に、主人公「ロゼット・クリストファー」とその付き人「クロノ」が、「悪魔」と呼ばれる人外たちを退治する姿が描かれました。そして、ロゼットは自身の寿命と引き換えに悪魔であるクロノと契約し、弟「ヨシュア」を探索します。
本作の最終回では、ロゼットとクロノが宿敵「アイオーン」との戦いに勝利し、世界も平穏を取り戻しました。しかし、戦いを終えたふたりは、契約に基づいた死期によって静かに永眠してしまうのです。
さらにその後、「俺は欲望が生み出す永遠だ」といったセリフとともに、人混みのなかにまぎれるアイオーンの姿が描かれます。まさかのラスボスが死んでいなかった、あるいは復活したという救いようのない展開は、当時視聴者に大きな衝撃を与えました。
『バジリスク ~甲賀忍法帖~』
小説『甲賀忍法帖』(著:山田風太郎)を原作とした『バジリスク ~甲賀忍法帖~』は、2005年にアニメ化された作品です。
本作は江戸時代を舞台に、徳川家の世継ぎ問題によって、長年平和を保っていた甲賀と伊賀の忍者たちが再び争うことになるという物語です。そして、甲賀の「弦之介」と伊賀の「朧」は恋仲でありながら、互いに敵対する一族としてこの争いに巻き込まれていきます。
本作の最終回は、悲しく切ない結末となりました。20名による戦いは熾烈を極め、最終的に朧と弦之介のふたりが残って、決闘を行います。朧は弦之介に刃を向けますが、「大好きです、弦之介様」と言い自害するのでした。そして、弦之介もまた死んだ朧を抱き抱え、自ら命を絶ってしまいます。
互いに好きだからこそ、相手のために死んでいくという悲しいラストに涙した人も多かったのではないでしょうか。本作は放送から月日がたった今でもラストに関して、「トラウマ級の悲劇」とファンの間で語り継がれています。
まさかの人類滅亡がラストとなった『Rewrite』 (C)VisualArt’s/Key/Rewrite Project
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賛否が起こった「人類滅亡」エンド作品
『Rewrite』
ゲームブランド「Key」が制作した恋愛ゲームが原作の『Rewrite』は、文明と緑の共存を理想に掲げた都市で、非日常的な出来事が起こる様子を描いたファンタジー作品です。本作は8話以降、原作にはないオリジナルな展開で、悲しい結末が描かれました。
主人公「天王寺瑚太朗」は、星の化身である「鍵」と呼ばれる存在の女の子「篝(かがり)」との出会いをきっかけに、彼女を狙う組織と戦うことになります。星の化身は「人類が存続するべきかそうでないか」という判断を下す役割を持っており、本作の大きなポイントともいえるでしょう。
しかし、最終回では人工物や動物を自壊させる「滅びの詩」により、篝の「鍵」の力が発動してしまいます。それによって人間は緑化が進み、琥太朗も篝とともに巨大な木に飲み込まれていくのでした。
本作は主人公、ヒロインはもちろん、人類全員が滅亡してしまうというバッドエンドに、賛否両論が巻き起こりました。ちなみに、その後の続編として第2期が制作され、こちらは原作に沿った内容となっています。