「エゼとのコンビは相手にとって脅威となる」パレス鎌田大地のプレミアデビュー戦を英国人記者はどう見た?「何度か良いポジションにいたが…」【現地発】

 8月18日、プレミアリーグ開幕節のブレントフォード対クリスタル・パレスを取材した。

 パレスはプレシーズンを無敗で終えているが、何人かのスター選手の先行きが不透明なため、新シーズンに対する不安はまだあると思う。

 昨シーズンはオリバー・グラスナー監督が就任して以来、驚異的な成績を残し、残留争いから脱出。ファンも新シーズンに胸を躍らせていたに違いない。しかし、主力だったマイケル・オリースがクラブを去り、エベレチ・エゼやマーク・グエイといった才能のある選手たちも他のクラブから狙われている。もし、これらの選手たちも退団することになれば、大きな痛手となるだろう。

 新加入の鎌田大地は、プレシーズン中のパフォーマンスがポジティブな評価を受けていたとはいえ、オリースが抜けた後では、大きな責任を背負うことになる。

 それでも鎌田は、フランクフルト時代にグラスナー監督のもとでプレーしたことがあり、指揮官のやり方を熟知している。それは彼にとってもチームにとっても、大きなアドバンテージだ。
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 しかし、プレミアデビューとなったブレントフォード戦で、2シャドーの一角に入った鎌田は試合にあまり影響を与えられず。チームは1-2で敗れた。

 鎌田はほとんどの時間、ゲームに入れていて、何度か良いポジションにいたが、ボールが彼のところに来なかった時、目に見えてイライラしていた。しかし、新しいチームメイトにこのような感情を示せるのは、すでにチームに溶け込んでいる証拠だ。試合を重ねていけば、ボールはどんどん集まるようになるだろう。

 また、攻撃的MFとして鎌田とエゼとの関係は良好に見えた。このコンビは対戦するほとんどのチームにとって脅威となるだろう。

 試合を通じて、鎌田のプレーは悪くなかったと思う。70分に途中交代する際には、パレスのファンから温かい拍手を受けていた。この日本人にはまだまだ伸びしろがあり、さらに良くなっていくはずだ。彼が充実したシーズンを送ることを願いたい。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
 
著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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