パリ五輪でのなでしこジャパンの戦いを振り返ると、決定的に欠けていたのは最終ラインのビルドアップ力とCFの得点力だ。3-4-2-1システム(もしくは5-4-1システム)をベースにしながらもセンターラインに大きな不安を抱えていたのだから、ベスト8敗退は妥当だったのかもしれない。
次の女子ワールドカップ(2027年)やロス五輪で優勝を狙うなら、最終ラインとCFの強化は優先事項になるだろう。フィジカル面でアメリカや欧州の列強(ドイツ、スウェーデン、イングランド、スペインなど)を上回るのが現実的ではないとすると、何より最終ラインのクオリティ向上に着手、具体的には「ボールを止める、ボールを蹴る、ポジショニング」の3大要素を徹底的に叩き込まないといけない。
最終ラインからスムーズに組み立てられるようになれば、長谷川唯、長野風花、谷川萌々子といった中盤のタレントがより活きるはず。そして長谷川唯らがより輝くことができれば必然的にチャンスは増えるだろう。たとえ最前線が迫力不足でも、チーム全体の押し上げが可能になるならCFに依存しない攻撃も可能。そう考えると、最重要課題は最終ラインのレベルアップになる。
池田太監督が退任した今、実現するかはさて置き新指揮官に推したいのが中村憲剛氏だ。先ごろS級ライセンスを取得し、日本代表やJリーグ各クラブで監督を務めることが可能となっただけに、彼がなでしこジャパンを率いる姿を是非見て見たい。
この提案は実は東京五輪後にも勝手ながらしている。「ボールを止める、ボールを蹴る、ポジショニング」の技術をチームに落とし込むうえで、中村氏は適任ではないのか。最終ラインから組み立てられないという致命的な弱点を克服する意味で、監督は彼しかいない。
中村憲剛がなでしこジャパンの指揮官に──、実現したら話題性も抜群である。なでしこジャパンへの注目度は間違いなく一気に高まる。ファン・サポーターを“ワクワク”させる点でも、中村氏は打ってつけの人材なのだ。
指導者育成の場として考えているわけではない。頭脳明晰で負けず嫌いな中村氏ならきっとなでしこジャパンを強くしてくれると信じているから、新監督に推しているのだ。
本人に許可も得ないで、勝手なことを書いた。もしかすると怒られるかもしれないが、彼ならなでしこジャパンを強くしてくれると本気で思っている。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集部)
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