7月に9年ぶり26回目の阪神甲子園球場での野外ライブを成功させたTUBE。8月24日にも夏恒例の横浜スタジアム公演を行う。今年通算35回目となる真夏の野外ライブを続けてきたTUBEのボーカル・前田亘輝に、酷暑と戦ってきた経験やスタジアムライブの醍醐味を聞いた。(前後編の前編)
26回目の甲子園ライブは夏の常連校さながら
――9年ぶりの甲子園球場のライブを振り返っていかがでしたか?
前田亘輝(以下同) 甲子園ライブは2020年にもやる予定だったんですけど、コロナの入り口で延期になって、当然、その年は横浜スタジアムライブもなくなって。結局、2020年に横浜スタジアムで無観客ライブ配信はしたけど、有観客での野外ライブはまる2年、できなかったんですよね。
――32回目の横浜スタジアムライブは無観客でしたよね。
観客が誰ひとりいない何万人の会場というのは異様でしたね。映画のワンシーンにいるような怖さがありましたよ。2022年は有観客だったけど声は出せなくて、みんなマスクしていて。去年の横浜スタジアムはすべて解禁になったので、それはそれで怖いくらいのすごい盛り上がりでした。
甲子園ライブは26回目ですけど、甲子園球場は今年、開場が100周年なんですよね。TUBEは甲子園の歴史の4分の1以上、ライブしてることになるから、夏の常連校もいいとこですよ(笑)。今年の甲子園は過去最高動員数で、たくさんの方が来てくれて、楽しんでもらえたんじゃないかと思いますね。
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暑くなる日本の夏を一番肌で感じているバンド
――TUBEは1980年代から野外スタジアムライブをやられてきて、その間、日本の夏はどんどん暑くなっているわけですよね。
それは一番、肌で感じてるバンドだと思いますよ。温暖化や日本の猛暑、酷暑。スタジアムライブを始めた頃は、特に横浜は浜風もあって、夜7時を過ぎると少し肌寒いぐらいでしたよ。1990年は半ばぐらいまではそんな感じだったけど、今はもう全然ダメだね、夜でも暑すぎる。
――この暑さでは野外は厳しいなと感じることはなかったんですか?
当然、思ってますよ。今回の甲子園(での公演)が終わったあとみんなで話したのは、全員、野外ライブは賛成だと。でも、今みたいな外に出ちゃいけないって言われるくらい暑い、7月、8月じゃなくてもできるよねと。
今、春と秋がほとんどなくて、10月でも夏みたいなものじゃないですか。いくら夏が好きとは言ってもね…さすがに暑すぎて観る側も大変ですよ。それは夏フェスをやってる人たちも感じてると思いますよ。もうね、5月から10月までが夏だっていうふうにファンが認めてくれるならすぐにでも変えてもらいたいね(笑)。