今聴くと重すぎる!? 平成と令和の恋愛ソングの違い3つ

あなたにとって、聴くと当時の恋愛が蘇るような、思い入れのある歌はありますか?

片思いでキュンキュンしている時、付き合い始めの幸せ絶頂な時、失恋してドン底にいる時……どんな状況の時でも恋愛ソングは心を打つものがあります。

そして最近感じるのは、「恋愛ソングの傾向が平成と令和で、明らかに変わってきたな」ということです。

明確にはどんな違いがあるのでしょうか?

この記事では、平成の恋愛ソングと共に青春を過ごしてきた筆者が、双方の特徴をあげながら、それぞれの時代の女性の恋愛傾向についても比べていきたいと思います。

平成の恋愛ソングは重くてなんぼ!純愛・ 共感性の高さがヒットのポイント

女性歌手の切ないバラード全盛期!

平成の恋愛ソングは女性歌手による、とにかく切ないバラードが多くヒットしました。

今思えば「重すぎでは?」「メンヘラ?」と思われかねない歌詞も当たり前に受け入れられ、強い共感を生んだのです。

特に西野カナさんの『会いたくて会いたくて』のあまりにストレートでやるせない恋愛の歌詞には、衝撃と同時に多くの女性の心を代弁し、話題になりました。

他に代表的なのは、HYさんの『366日』もその一つではないでしょうか。

「相手の心はもう別の人にあり、叶わない願いだと分かっているけれど忘れられない」という苦しくてたまらない恋を飾らない表現で歌にし、失恋したらカラオケで泣きながら熱唱するなんて風景も珍しくありませんでした。

最近はドラマのテーマソングにも起用され、令和でも語り継がれる恋愛ソングとなりました。


一途な純愛を歌った男女の掛け合いの楽曲が流行

2000年代後半から2010年代前半にかけては、別のアーティスト同士がコラボレーションし、男女それぞれの気持ちを歌う、『フィーチャリング』という形式が流行したのも平成の恋愛ソングの特徴です。

代表的な楽曲の一つが『SoulJa ここにいるよ feat.青山テルマ』であり、フィーチャリングブームの先駆けでもあります。

多くの楽曲が、女性側の一途な切ない思いの歌詞に対して、男性側の不器用な思いをラップに乗せて伝える形が多く、男女のすれ違いのもどかしさに共感が生まれました。

それと同時に、どこかそういった切なくも一途な純愛に、平成女性達は憧れを抱き、酔いしれていたのです。


圧倒的なカリスマ『あゆ』の歌に救われる女性が多数

そして「平成の歌姫」と呼ばれた浜崎あゆみさんの存在なしでは、平成の恋愛ソングは語ることはできません。

曲を出す度に大ヒットし、メイクやファッションに関しても大きな影響を与え、若い女性のカリスマ的な存在となりました。

浜崎あゆみさんの歌詞からは、恋愛に限らず誰もが抱く孤独や寂しさに共感しながらも、「そう思うのはあなただけじゃない」という心強さや、「それでも前を向こう!」と勇気を持たせてくれる力強さを感じます。

「どんなに辛い恋愛でも、あゆの歌があったから生きてこられた」そう語る女性も少なくないほどなのです。

そこからもわかるように、平成女性はとにかく恋愛に一生懸命であり、歌の存在に心を救われてきたのです。


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令和の恋愛ソングはノリ重視!? 恋愛だけに囚われない女性が増えた

TikTokの影響で耳に残る歌がヒットの鍵! 音楽シーンも多様化

平成ではCDや歌番組で最新の歌を知るのが当たり前でしたが、令和ではSNSや配信が主流となりました。

そのため、キャッチーで耳に残りやすい、ノリの良い楽曲がヒットの要因となっています。

歌詞や音楽スタイルも多様化しており、平成のヒットソングのほとんどが恋愛を絡めた歌詞だったのに対して、令和では、YOASOBIさんの『アイドル』、Adoさんの『唱』などを始めとする、クリエイティブで型にはまらない楽曲がヒットしています。

音楽シーンの多様化は、恋愛や結婚だけに重きを置かない現代社会とリンクしていると感じる方も多いでしょう。


男性歌手の恋愛ソングのヒットが目立つ

令和にヒットした恋愛ソングを聴いていて、まず思ったことが、その多くが男性歌手の歌であることです。

Official髭男dismさんの『Pretender』、瑛人さんの『香水』、優里さんの『ドライフラワー』など、そのほかにも多くの男性の失恋や、深い未練のある歌がヒットしています。

それに比べ、女性歌手の失恋ソングや切ない歌詞のヒット曲が少ないと感じます。

平成の「苦しくても一途に思い続けることが美しい」という女性像が変化してきている証拠だと言えるでしょう。


恋愛に依存しない! 女性の自己肯定感を高める歌が多い

平成の恋愛ソングとの違いは、恋愛に対する比重が軽くなり、「悩みながらも自分を大切にしていこう」というような、明るい曲調と自己肯定感を高めるメッセージ性が強くなったことです。

令和になり、女性の生き方の多様化が進み、結婚しても社会と繋がりを持つ自立した女性が増えた今、自分に興味のない男性に対して「あなたがいないと生きていけない!」いうようなニュアンスの歌詞は、確かにミスマッチで響きにくいのでしょう。