<決戦投票は小泉進次郎との一騎打ち?>「今回は最後の戦い」派閥“ほぼ解消”の総裁選で出馬表明の石破氏、待ち受ける“石破以外なら誰でもいい包囲網”

決選投票に残っても「石破氏でなければ誰でも」という包囲網が…

なんとか仲間を増やし、出馬にこぎつけた石破氏だが、本当の勝負はここからだ。

「1回目の投票では、投票総数の半数を占める党員票が勝負の行方を大きく左右します。とくに今回は、自民党が逆風を受ける中での総裁選。衆院選での党の顔を選ぶ意味合いも強く、党員人気が高いと報じられた候補に議員票が流れる可能性は高いでしょう」(全国紙政治部記者)

ただ、国民人気の高い石破氏といえども、多くの党員票を獲得するのは容易ではない。

「小林氏や小泉進次郎氏の出馬で、今までの総裁選とは大きく構図が変わりました。石破氏の頼みの綱の党員票は、この2人、とくに知名度の高い進次郎氏に削られる公算が大きくなってきています。進次郎氏は石破氏よりも後に出馬を表明する見込みで、石破氏としては話題をかっさらわれてしまう可能性があります」(前同)

今回は候補者が多いため、1回目で過半数を獲得する候補者は現れず、上位2人による決選投票が行なわれることが予想される。そうなると石破氏が決戦投票に残れたとしても、「石破包囲網」が待ち構える。

「決選投票では、国会議員票が総数の約9割を占め、残りの1割が都道府県連票となります。議員からの人望がない石破氏にとっては不利な戦いです」(前同)

唯一残る派閥、麻生派を率いる麻生太郎副総裁は、自身の政権末期に「麻生おろし」に動いた石破氏をいまだに嫌う。安倍派にも、安倍晋三元首相を厳しく批判していた石破氏への反発はあり、「石破氏でなければ誰でもいい」との本音も漏れる。

さらに石破氏との関係が悪くなかった菅氏も、今回は進次郎氏を猛プッシュ。進次郎氏を推す流れは菅氏周辺だけでなく、他派閥の若手にも広がっており、石破氏VS進次郎氏の決選投票となれば、石破氏の票の上積みは難しくなってしまう。

ほぼすべての派閥が解消されてから、初めての総裁選。石破氏は「反石破派」を破って「5度目の正直」を実現できるか……?

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班