最悪失明も。手作り目薬がNGな理由
目薬は徹底した衛生管理下で製造されますが、中には目薬を手作りする方がいるようです。
2018年にとある子育て情報サイトに、手作り目薬の作り方が公開されて以降、ネット上にはさまざまな手作り目薬のレシピが公開されてきました。
しかし、どんなに自宅で衛生管理を試みても、十分ではありません。また、「塩目薬」など、中には目に対して有害な物質を含むレシピも公開されています。
手作り目薬が目に良くない理由は大きく2つあります。
1つ目は衛生面です。適切な衛生管理が行なわれずに作製された目薬には、ばい菌が含まれていることがあります。これは結膜炎や角膜炎などの原因になります。特に、角膜炎という病気は最悪の場合、視力を大きく下げてしまい、治療のためには角膜移植という大がかりな手術が必要な場合もあります。
2つ目は病状が悪化してしまうことです。手作り目薬のレシピを見ていると、有効な成分は全く入っていません。そのため、手作り目薬を使っても効果がないどころか、治療のタイミングを遅らせているだけです。早期治療が有効な目の病気はいくつもありますから、手作り目薬を使わずに眼科医を受診してほしいと思います。
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湿布薬と一緒に保管してはいけない
目薬はその保存する場所も注意が必要です。防虫剤を入れたタンスの中や開封した湿布薬を入れた救急箱などに目薬を一緒に入れないようにしましょう。これらには、揮発性の高い成分が含まれており、それが目薬のプラスチック製の容器を透過する恐れがあります。
特に、湿布薬や液状の消炎鎮痛剤に含まれるメントールやカンフルなどの芳香成分、油性ペン(有機溶剤)、洋服の防虫剤(パラジクロロベンゼン)などには揮発性の高い成分が含まれています。
これら成分が容器を透過して、目薬に溶け込むかもしれません。例えば、湿布薬に含まれているメントールが液に溶けると、目薬が目にしみることがあります。
目薬を保存する場合はこれらと別に保存するか、処方時にもらう目薬用の袋に入れて保存するようにしましょう。中には点眼ボトルに回数や開封日を記入する方がいますが、油性ペンを使うとその成分が透過するかもしれません。水性ペンを使うか、目薬用の袋に記入するようにしてください。
取材・文/ドクターK@眼科医パパ
サムネイル写真/Shutterstock