キマグレンの「3つのL」。もう1つ加えるとしたら……?
–––再結成ライブに向けてスタジオに入られているところだと思うのですが、ひさびさに二人で演奏して、どこか大変に感じるところはありますか?
ISEKI (2024年7月末時点で)もう4〜5回スタジオに入りましたが、とりあえずKUREIには曲を思い出してもらっていますね。
KUREI 僕は曲を思い出すのが一番大変かなぁ(笑)。ISEKIはそのあたりしっかりしているから。
ISEKI “新生キマグレン”としてステージに立つわけですから、やっぱりいろいろチャレンジしたいと思っていて。アレンジを少し変えたいとか、そういう作業は少し大変ですね。
KUREI やるからには、いま僕たちがかっこいいと思うものをやりたいしね。先ほども言いましたが、僕はこの9年間でクリエイティブが爆発していた状態なので、それをISEKIがキャッチしてくれているという。ISEKIには、いつも無茶言っていますね(笑)。
ISEKI 当時の楽曲の中で、僕らとして消化不良だったものもやっぱりあるんですよ。スタジオでは、そのあたりも納得できるように変えていますね。ファンの皆さんに受け入れてもらえるかは、ライブでやってみないとわかりませんが。
KUREI ひさびさに一緒にスタジオに入って思ったのは、すごく演奏が上手くなっているなということですね。
ISEKI ありがとうございます(笑)。でも、KUREIも解散後ずっとバンドで活動してきたので、グルーヴが強烈になっているなと思います。なので、弾き語りでも十分に勝負できると思うので、そういう意味でもすごくライブが楽しみですね。二人だけの弾き語りライブって、意外とやったことがないので。
–––過去も含めて、スタジオで制作やリハーサルをしているとき、喧嘩や言い合いになることなどはあるのでしょうか?
ISEKI 言い争いとまではいきませんが、昔はよく言い合いはしていたと思います。でも、今はあまりそういう雰囲気にはなりませんね。
KUREI 当時も、いいものを作りたいというゴールがあって、アウトプットの質を高めるために意見を出し合っていただけなので。その点は、今もあまり変わらないですね。
–––再結成ライブでは、代表曲『LIFE』はもちろん、新曲をとても期待するファンは多いです。そのあたりはどうでしょうか?
KUREI いろいろな人に聞かれるのですが……ちょっと間に合わないんじゃないかな(笑)。本当にひさびさのライブで、すべての曲が新曲みたいなものですし。
ISEKI まずはライブを成功させること。楽曲制作は、その次の段階だと思っています。
–––キマグレンは、楽曲制作の際に「3つのL(Love・Life・Local)」を大切にされています。ここにもう一つ「L」を加えるとしたら、何でしょう?
KUREI これも当時からいろいろなところで聞かれていたんですが、僕らが決めたわけではないんですよ(笑)。あくまでも、レコード会社がキマグレンを発信するために、わかりやすくラベリングしただけなので。そのうえで、当時はよく「Live」と答えていたと思いますね。いま付け加えるとしたら、「Lonely」とかかなぁ。孤独な人を救いたいとか……こういうことを口にするから、周りから叩かれちゃうんでしょうね(笑)。あと捻り出すなら、「Loose(緩い)」とかですかね。
ISEKI そっちのほうがいいかもしれないね。緩く楽しく。キマグレンという名前にぴったりハマると思いますし、僕らの今のモードとしても、それに近くなっている気がするから、やっと本当の“キマグレン”が始められる感じがするよ。
–––最後に再結成ライブに向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いできますでしょうか。
KUREI 僕らがかっこいいと思えるものを一生懸命作り上げて、ファンの皆さんに届けていきたいなって思っているので、ぜひ楽しみにしていてください。
ISEKI まずは9月1日、その一瞬一瞬を皆さんと一緒に楽しみたいと思います。今後の話は、それからです(笑)。
取材・文/毛内達大 撮影/下城英悟