朝ドラ「虎に翼」で描かれた“旧姓の使用”という問題について、8月23日に放送された情報番組「ニュースーン」(NHK総合)が取り上げ、主人公・寅子の上司である桂場等一郎のセリフの背景について説明があった。
朝ドラ「虎に翼」第21週で、主人公・寅子と星航一が再婚の際に名字を変えるかどうかが大きなテーマとなり、寅子が旧姓の使用を上司である桂場等一郎に求めた時に、桂場が「判決に対する信頼を揺るがすわけにはいかない」と言って旧姓の使用を認めなかったシーンが描かれた。
寅子のモデルとなった三淵嘉子さんを長く取材したNHK解説委員室解説主幹・清永聡氏は、この場面について「実は裁判官や書記官というのは、長い間旧姓を使うのが事実上難しかったんです」と説明。
清永氏によると、判決文などは法的拘束力を伴うため、戸籍の姓名を使うこととされており、事実上旧姓を使えなかったという。実際に判決文で旧姓が使用できるようになったのはつい7年前、2017年。国家公務員が旧姓を使えるようになったのは2001年のため、清永氏は「16年。これは遅れていると言わざるを得ない」と語った。