“変なクセがない”は完全に長所!DENALIはスコアメイクに長けたシャフトです

トゥルーテンパーのシャフトは、スチールだけでなく「グラファイト(カーボン)」もスゴい! といわせるニューブランドが誕生。その名も「DENALI(ディナリ)」。

その性能を辻村明志プロコーチにいち早く体験してもらった。

コースでは平均点を上げるシャフトが強い!

ディナリを試打しての率直な感想は「非常にクセがない」です。これは「特徴がない」「だから飛ばない」といったネガティブな感想ではなく、僕はポジティブに大きな長所だと感じました。

3タイプとも振りやすく、タイミングが合わせやすい。スイング中にヘッドの位置や動きが感覚から消えない。スイングに対して素直に動いてくれますが、これはコースでこそ本領を発揮し、スコアメイクを助けてくれます。

ディナリは、使用者の裾野をアベレージゴルファーまで広げていますが、アマチュアのスイングは日替わりで好不調の波も大きいため、入念に選んだシャフトが「昨日はよかったのに今日は合わない」「練習場や試打のときとなんか違う」となることも。

これはとくに、クセの強いシャフトだと起こりやすい現象なのですが、ディナリのシャフトが粘りすぎない、ヘッドが走りすぎないなどの〝すぎない〞挙動と振り心地は、スイングが変わってしまったとしても許容性がとても高い。

そうなると、いいスコアを出したい本番のコースで強い武器になります。スコアメイクに大切なのは1発の飛びではなく、ヨコ方向やタテ距離の安定感で18ホール通しての平均点を上げること。

その点でディナリは変なクセがないので、平均点を下げてしまう予想外の大きなミスが出にくい。コースで狙ったとおりの飛距離と弾道が打てる。スイングの成長とともに長く使い続けられるシャフトでもありますね。

「赤」の40、50はまさにアベレージゴルファー向けの性能


DENALI RED

まずはもっともやさしい「赤」から。60・フレックス6.0(S+)を試打すると、1 発目からきれいなドローボールが出ました。先中調子らしく、ボールがつかまった高弾道が出ましたが、変なクセがないので僕のヘッドスピード(48m/ 秒)でもとても振りやすかったです。

「赤」ではやさしすぎるはず、という先入観はもたずに試打してほしいですね。次にスペックを落として50 の5.5(S)や40 の5.0(R)を打ってみると、60 とはいい意味で違っていて、つかまりも球の高さもさらに上がる。

同じ「赤」でも重量帯によって使用者が求める性能を発揮してくれると感じました。「赤」の40 や50 クラスはスインガーやシニア、女性ゴルファーの飛距離と方向性を上げるシャフトですね。

球筋もコース攻略もワンランク上が目指せる「青」


DENALI BLUE

「青」も「赤」同様に、重量帯やフレックスが上がるとセミハードヒッター向け、下がるとアベレージゴルファー向けに合う“ 同タイプ内での適した味つけ” を感じました。

コアなターゲット層は、中・上級者でしょうが、このレベルはホールロケショーンや状況に合わせて球筋をコントロールする、または“ 操作したい” 人たち。

ディナリのスイングに対して素直に反応するクセのなさは、左右・高低の球筋の打ち分けがしやすく、ワンランク上のティーショットが打てるようになるでしょう。

高慣性モーメントヘッドとの相性もよく、聞くところによると川岸史果プロはこのシャフトを試打して「とくに林間コースでいい」と使用を決めたそうです。

左右に曲がるのはもちろん、突き抜けて林に入ってしまうのもイヤなときに活躍するコントロール性と安定性にすぐれているということですね。

表示スペックよりもやさしいハードすぎない「黒」


DENALI BLACK

最後にシリーズでは、もっともハードな「黒」を。3 つめを手にして感じたのは、3 タイプとも持ったときにヘッドとシャフト、グリップまでのクラブに一体感がある。そして「キックポイントはそれぞれ違うのに振るとその違いを感じない」でした。

これも変なクセがないことが、いい方向に働いているのだと思います。外ブラのツアーモデルにありがちなガチガチなハードではありません。

同社のウッド用カーボンシャフト「ハザーダス」の同スペックと比べても、あきらかにほどよいやさしさを感じます。

ヘッドもシャフトも男子プロ向けのツアーモデルを使用していて「ちょっとしんどい」「もう気持ちやさしければ」と思うアスリートゴルファーにオススメ。

「ハードでもヘッドは気に入っているから使いたい」という希望をシャフトが叶えてくれそうです。

いかがでしたか? ぜひ、気になる「DENALI」をチェックしてみてください!

試打・解説=辻村明志
●つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。ツアープロから指導者に転身。「チーム24(辻村)」を結成し、上田桃子や吉田優利、渋野日向子らのコーチを務める。実戦力を上げる知識やスイング指導に定評がある。元ビルコート所属。

写真=田中宏幸 
協力=鎌ヶ谷カントリークラブ
●商品の問い合わせ/トゥルーテンパースポーツインクジャパン  www.truetemper.co.jp