マンガ作品を原作にした映画やドラマは数多くあり、特に深夜ドラマでは地上波ながら原作通りの過激なシーンが多く描かれた作品もあります。



ドラマ『クズの本懐』 DVD-BOX(ポニーキャニオン)

【画像】え…っ? 「地上波って見えてていいんだっけ」 こちらがみんなびっくりしたマンガ原作の深夜ドラマです!(8枚)

地上波で放送された過激シーンの数々

 マンガを原作とした実写化作品は、映画、ドラマで数多くの作品が放送されています。地上波放送のドラマでは、映画よりも過激な描写を描きづらい傾向がありますが、なかには原作の過激シーンを再現し「地上波で大丈夫なの?」と心配の声があがった深夜帯のドラマもありました。

『クズの本懐』

 横槍メンゴ先生のマンガ『クズの本懐』は、「月刊ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)にて連載され、2017年にドラマ化された作品です。高校生のいびつな恋愛関係を描き、彼らが抱える心の闇や、刺激の強い性愛描写などが原作同様に再現されました。

 物語は「安楽岡花火(やすらおか はなび/演:吉本美憂)」と「粟屋麦(あわや むぎ/演:桜田通)」が、それぞれ片思いしている相手への寂しさを埋めるため、偽りの恋人関係を結ぶところからはじまります。その関係にはルールがいくつかあり、なかには「互いの身体的欲求はどんな時でも受け入れる」というものまでありました。

 本作は第1話から屋上で花火と麦の濃厚なキスをするシーンや、体育館倉庫で行為に及ぶ場面などのシーンが放送されています。視聴者からは「TVでこれはかなり攻めた内容」「吉本さんの演技と覚悟がすごかった」といった声があがっており、衝撃を受けた人も多かったようです。

 過激な描写に注目してしまいがちですが、花火と麦の恋の行方や、ふたりの関係をかき乱す同級生の登場など、複雑な恋愛模様が丁寧に描かれており、花火と麦の淡く切ないラストも見どころになっています。

『みんな!エスパーだよ!』

 若杉公徳さんの同題マンガを原作とした『みんな!エスパーだよ!』は、俳優の染谷将太さん主演で実写ドラマ化されています。本作は2013年のドラマ化以降、スペシャルドラマや、配信限定ドラマ、2015年には映画化された人気作品です。

 ある日、突然テレパシー能力を持つエスパーになってしまった主人公「鴨川嘉郎」が、社会の破壊を企むほかのエスパーを食い止めるため、仲間たちとその危機に立ち向かうというのが本作のあらすじです。一見すると、シリアスなバトル作品のように感じますが、本作はセクシーシーンも原作と同じく多数描かれています。

 たとえば、嘉郎と幼なじみの女子高生「平野美由紀(演:夏帆)」が、不思議な力によってベッドシーンで激しく悶え、吐息を漏らす描写や、美由紀が友達の「嘉山(演:中尾明慶)」に後ろから胸を揉まれるシーンなど、気まずくなってしまうような場面が登場しました。

「下ネタ全開だけど見ごたえあるストーリーでイッキ見した」「エロいシーンが多いから絶対ひとりで観て楽しむべき」といった意見が見受けられ、エロ描写と一貫性のあるストーリー展開が高く評価されているようです。

『嬢王』

 父親の多額の借金を背負った箱入り娘の女子大生「藤崎彩(演:北川弘美)」が、キャバクラの世界で頂点を目指すマンガ『嬢王』(原作:倉科遼/作画:紅林直)は、2005年にTVドラマ化され、その後キャストを変更しながら第3シリーズまで放送されました。

 2005年の第1シリーズでは、主人公「藤崎彩(演:北川弘美)」がキャバクラ嬢ナンバーワンを決める「R-1グランプリ」に出場するという物語で、キャスト同士の熾烈な蹴落とし合いが原作同様に描かれています。また、本作はキャストの一部にセクシー女優も抜てきされ、その過激な演技が当時話題になりました。

 作中、嬢たちが恋人や男性客と関係を持つ場面では、はっきりと上半身裸になっている場面もあり、現在の放送コードでは考えられないほど刺激的な内容でした。そういった攻めた描写だけでなく、人間ドラマとしてもキャスト一人ひとりに背景をしっかり描き「R-1」を通して語られる彼女たちの過去の描写も見どころの作品です。

 本作についてネット上では「性描写のオンパレードで当時衝撃を受けた」「クセの強いメンツのなかで頑張る彩が健気で応援してしまう」などの声があり、過激な描写に加えて魅力的なキャラが多く、作品の満足度は高かったようです。