近年注目されている「フレイル」。
実は、最近若い世代でもフレイルやフレイル予備軍に該当する人が増えていることがわかっています。
そこで、今回はフレイル予防のために今すぐできる対策について、 あんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに解説いただきます。
「フレイル」とは
出典:Pixabay
フレイルとは、加齢により、体力や気力、認知機能などの心身の機能が低下し、将来要介護になる可能性が高い状態にあることを指します。
フレイルは以下の3つに分類されます。
身体的フレイル
日常生活を送るうえで必要な身体機能が低下した状態です。
運動器の障害や、加齢による筋肉の衰えなどが身体機能の低下につながります。
精神・心理的フレイル
加齢に伴う認知機能や判断力の低下、抑うつ、不眠などの状態にあることを指します。
高齢期では、定年退職やパートナーを失うことで引き起こされることも多いようです。
社会的フレイル
社会とのつながりが希薄化し、社会的孤立、独居や、経済的に困窮した状態などをいいます。
社会とのつながりの低下が、フレイルの入り口になりやすいことがわかっています。
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「フレイル」予防で重要な3つの要素
出典:Pixabay
フレイルは、早めに対策することで心身の機能の維持や改善が期待できます。
ここでは、フレイル予防で大切な3つの要素について解説します。
栄養
多様な食品を摂っている人ほど筋肉量が多く、体力が高いことがわかっています。
反対に、「主食・主菜・副菜」を意識して摂る頻度が少ない人は、フレイルになるリスクが高くなることも認められています。
たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の働きはそれぞれ異なり、互いに連携してからだを整えるため、バランスよく摂ることが大切です。
運動
加齢とともに筋肉が減ると筋力が低下し、脂肪の増加や体力の低下につながります。
また、筋力や体力の低下により外出する機会が減ると、人と交流する機会が減り社会活動にも影響が及びます。
フレイルにならないためには、運動習慣を持ち、筋肉や体力を一定以上に維持することがとても大切なのです。
社会参加
人は、社会とのつながりが豊かな方が、生涯を通じて健康でいられるだけでなく、認知症にもなりにくいといわれています。
また、自分とは異なる背景をもつ人との付き合いが多いほど認知機能低下が起こりにくく、うつにもなりにくいということが明らかになっています。
フレイル予防のためには、人とのつながりを失わないことが大切なのです。