虚数が語る真の物理学


虚数を元にし量子の世界はどんなものだろうか? / Credit:Canva

今回の研究により、量子世界において虚数部分の情報が、粒子の状態の判別に使えることが示されました。

どうやら量子の世界においては、虚数は隠れたパラメーターから、実測可能な情報資源への転身を迫られているようです。

また今回の研究成果は、物理学全体の数に対する考え方が表面的なものに過ぎず、自然界の真の理解には虚数部分の情報が必要不可欠であることを示します。

数学が作り出すイメージの世界にのみに存在していた虚数が、自然界の理を語り始める日は近そうです。

※この記事は2021年に公開のものを再掲したものです。

参考文献

Physicists Prove That the Imaginary Part of Quantum Mechanics Really Exists!
https://scitechdaily.com/physicists-prove-that-the-imaginary-part-of-quantum-mechanics-really-exists/

元論文

Operational Resource Theory of Imaginarity
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.126.090401

Resource theory of imaginarity: Quantification and state conversion
https://journals.aps.org/pra/abstract/10.1103/PhysRevA.103.032401#fulltext

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。
大学で研究生活を送ること10年と少し。
小説家としての活動履歴あり。
専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。
日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。
夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。