好きだったアニメの続編が放送され、また作品の世界にひたれると思うとうれしいものです。しかし、なかにはファンから待望されるほど支持を集めているはずなのに、どれだけ待っても続編が作られない作品もあります。
TVアニメ『魔女の旅々』DVD-BOX下巻(メディアファクトリー) (C)白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会
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完成度が高すぎて続編作れず?
アニメは毎シーズン多くの本数が入れ替わるように放送されており、人気の作品は放送が終了後、続編の制作に視聴者の期待が寄せられます。しかし、なかには視聴者から期待されつつも、続編が制作されないまま長い時間がすぎた作品もあります。
榎宮祐さんの同題ライトノベルが原作で、2014年に放送された『ノーゲーム・ノーライフ』も、続編を期待する声が根強くある作品です。同作では、あらゆるゲームで不正ツールを相手にしてでも連勝を重ね続ける謎のゲーマー「『』(くうはく)」こと、「空(CV:松岡禎丞)」と「白(CV:茅野愛衣)」の兄妹が、ゲームが大きな決定権を持つ世界「ディスボード」に召喚され、人類代表として戦いを繰り広げます。
放送終了から何年経っても、ファンからは続編の制作が熱望され、その人気もあって2017年には過去のディスボードを描いた劇場版『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』も公開されました。原作の刊行ペースは決して早いとはいえないものの、2024年8月時点で(番外編を含まず)12巻まで続いており、1期で描かれた内容が3巻まで(劇場版は6巻)のため、原作のストックが続編が作られない理由ではなさそうです。
榎宮さんは海外から届く続編を願う声に対し、SNSで困惑した様子を見せることもあります。また続編が実現していない事情について、「お金の問題でも、まして誰かの問題でもないです。ただ(1期の)『出来が良すぎた』のが二期実現に難関になってはいます」とも語っていました。
2020年に放送された『魔女の旅々』も、続編が期待されながら動きがない作品です。白石定規さんの同題ライトノベルを原作とした同作では、自信過剰な天才魔女「イレイナ(CV:本渡楓)」が、さまざまな街を旅していくなかで、悲喜こもごもの出来事に巡り合います。
女性キャラクター同士の親密な交流に注目が集まる一方で、連続殺人犯になった親友を救うため、過去に戻ろうとする魔女にイレイナが協力するも報われない結果になってしまう回など、衝撃的で考えさせられる話もありました。アニメは原作3巻までの話を中心に描かれており、2024年10月には最新23巻も発売予定なので、原作ストックに問題はありません。
アニメ最終回では、イレイナと一時的に旅をするキャラクターが顔を見せ、続編に向けた布石とも思われましたが、今のところアニメの続編発表はない状態です。原作者の白石さんは「2期は是非ぼくもやりたいですね」と前向きな発言をしつつ、続編を実現するために作品の盛り上げを呼びかけていました。
TVアニメ『アクセル・ワールド』キービジュアル (C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project
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大人気シリーズと同じ作者の作品も
先の2作品より続編が実現する可能性は低そうですが、「ソードアート・オンライン」シリーズを手掛ける川原礫さんの同題小説を原作とする『アクセル・ワールド』も、続きを心待ちにしているファンが多い作品です。
生活の大半が「ニューロリンカー」と呼ばれる装着型コンピュータで成り立つようになった西暦2046年が舞台で、主人公の男子中学生「ハルユキ(CV:梶裕貴)」は学校での嫌がらせなど不満の溜まる生活を送っていました。
しかし、ハルユキは「黒雪姫(CV:三澤紗千香)」と呼ばれる生徒会副会長から、ストレス解消のために遊んでいたゲームの高得点に関して目を付けられます。そして、現実世界の「1秒」が「16分40秒」になった世界を体験できるアプリに誘われ、彼の周囲は一変していきました。
原作は2024年8月現在、すでに27巻まで刊行されていますが、2012年にアニメ化された部分は原作4巻までのストーリーにとどまっています。全体ではアニメ化されたのは序盤のエピソードにあたり、まだ映像化されていない部分も多く、いまでも2期の放送が期待されています。
続編が制作されないまま期間が空いてしまうと、最新のヒット作と比べた場合、話題性も薄れて、制作も難しくなってしまうかもしれません。しかし、13年ぶりとなる『君に届け 3rd season』が配信されたように、前作から長い時間が経過しても続編が実現した例があります。ほかの作品も諦めずに待ち続けていれば、願いが叶うかもしれません。