携帯ショップには、いろいろなお客様が訪れます。「芸能人のファンクラブに入りたいから」と、初めてスマホを手にするシニア女性でしたが、設定が難しく……。ショップ店員の読者から寄せられた体験談をマンガにした「店員スマ子の日報」シリーズが、Instagramで話題になっています。作者のはらぺこもんろーさんにお話を聞きました。



マンガ「店員スマ子の日報」のカット(はらぺこもんろーさん提供)

【マンガ本編】初スマホに挑戦するシニア女性 ショップ店員が語る現実がシビア!

ガラケーからスマホに機種変したシニア女性を待ち受けるハードル!

 ショップ店員が見た、さまざまなお客様のユニークなエピソードを描いたマンガ「店員スマ子の日報」シリーズが、Instagramで700件以上のいいねを集めて話題となっています。

「ガラケーからスマホに変更したい」と、携帯ショップを訪れるシニア女性。その動機は、芸能人のファンクラブに入りたいから。しかしメールアドレスやパスワードの設定など、分からないことが多く……。読者からは「こういうお客様、います」「どうにかマスターしてほしい!」などの声があがっています。

 このマンガを描いたのは、漫画家のはらぺこもんろーさんです。Instagramやブログ「はらぺこもんろーのまんが」でマンガを発表し、Kindleでは『携帯ショップあるある』を無料配信しています。

ーー「スマ子の日報」シリーズは、どのようにして制作している作品なのでしょうか?

 このシリーズは、読者様からの体験談をもとにしています。いただいた体験談のなかで分からないことがある場合は、携帯ショップで働いていた友人に聞くなどして描いています。

ーー店員さんは、このようなシニアのフォロー業務に対して、どう思っているのでしょうか?

 さまざまな方からお話をうかがったのですが、「家で教えてあげてほしい」という声が多かったですね。あくまでお店は販売業務をするところなので、何十分もお話でスタッフを取られてしまうと、業務に支障が出てしまうそうです。また教え方も慣れていないので、なかなか伝わらないことも多いそうで……。

 最近は、携帯ショップでもスマホ教室を開催しているところが多いので、そのような場所に行っていただけると双方にとっていいのでは、と思います。

ーーファンクラブに入るために頑張るシニアに対して、どう思いますか?

 本当に素晴らしいことだと思います。私も年齢を重ねるうちに、新しいことへのチャレンジに対して億劫になってしまいがちです。その気持ちの壁を乗り越えて、何歳になっても挑戦する姿は、とても素敵だと思います。

ーー日々いろいろなお客様と接しているスマホ店員さんに対しては、どのような印象がありますか?

 携帯ショップの店員さんの業務は多岐にわたっているので、知識がないと働くのが難しいと感じました。半年に1回新しいスマホが販売されるたびに、新たに覚えてお客様に違いを説明する必要がありますし、購入時にはデータ移行やフィルム張りも求められます。このマンガのように、スマホの使い方が分からない場合は、教えないといけないですし……。

 スマホ自体は10数万するのにも関わらず、お客様は「契約」をしている意識があまりなく、しっかりと話を聞いていない方も多いそうです。本当に大変な仕事だな、と思います。

ーーこの作品にどのようなコメントが寄せられましたか?

「こういう人いる!」と、実際に携帯ショップ業界で働いている現職の方や、すでに退職された方などから共感の声をいただきました。

ーーInstagramでマンガを発表することで、ご自身にどのような影響がありますか?

 趣味で描いていたマンガが、仕事につながっていくのを感じます。PRのご依頼をいただくことが多く、特殊な業界の話に興味を持ってもらい、ありがたく感じています。自分の発信したコンテンツに対して読者からコメントをいただくと、いろいろな方の考えを知ることができ、励みになっています。