『ONE PIECE(ワンピース)』のコミックスで掲載される質問コーナー「SBS」では、本編では描かれない重要な情報やストーリーが明かされることもあります。特に最近は、謎の多いキャラの過去に触れたり、新キャラが登場したりと、見逃せない情報がてんこ盛りでした。



TVアニメ『ONE PIECE』ビジュアル (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

【画像】何で本編じゃなかったの? こちらがSBSで重大にな事実がサラッと明かされたキャラです(5枚)

SBSでまさかのメインキャラの伏線回収も

『ONE PIECE(ワンピース)』のコミックスで掲載されている質問コーナー「SBS」は、原作者の尾田栄一郎先生によるユニークなコメントやキャラクターの小ネタなど、興味深い内容が見逃せません。そのなかには本編に関わる重大な事実がさらっと明かされ、読者を驚かせることもありました。

 まずは「麦わらの一味」に関する内容です。主人公「モンキー・D・ルフィ」と強固な信頼関係にある「ロロノア・ゾロ」の血筋について語られました。

「ワノ国編」でゾロに瓜ふたつの剣士が登場したことなどから、ゾロのルーツは「ワノ国」にあることが予想されていたものの、確証はありませんでした。すると、コミックス105巻でゾロの家系図が公表され、彼はワノ国の大名の一族「霜月家」の子孫であることが明かされます。ゾロの出身地「シモツキ村」は、55年前にワノ国を出航した「霜月コウ三郎」がある島に定住し、作り上げた村だったのです。

 本編では、「スリラーバーク編」でゾロが戦ったゾンビの剣豪「リューマ」も、霜月家の人間であると分かっています。スリラーバークでの一戦は単に剣豪同士の戦いではなく、先祖と子孫の戦いだったのです。さらに、リューマに勝ったゾロは、のちにワノ国の国宝と判明する名刀「秋水」を受け取り、ワノ国に返しています。

 また、ゾロの師匠「ジュラキュール・ミホーク」の意外な過去が判明したのもSBSでした。コミックス108巻では、ミホークが「海兵狩り」をしていた過去について質問された際、尾田先生が「ミホークは海兵を恨むような過去と大きな裏切りにあってきた」「人生に疲れちゃってるトコあります」と述べています。

「世界一の剣豪」に君臨し、常に冷静で達観しているミホークは、ファンの間でも「とにかく強い」というイメージが浸透しているキャラです。それゆえに、壮絶な過去を匂わせるこのコメントに驚きの声があがりました。彼は仲間を作らない孤高の海賊でしたが、過去を加味すると、自由を好んでいるのではなく他人を信用できないことから、仲間を作らずに単独で行動していたのかもしれません。

 本編で描かれぬ一面が判明し、彼の人柄に意外性や深みが増すSBSのコメントでした。

 最新巻であるコミックス109巻では新キャラが公開されました。それは過去にルフィの義兄「ポートガス・D・エース」が倒した元「王下七武海」の「ハナフダ」という海賊です。

 SBSでは、「古代種」の「悪魔の実」を集めることを収集するのが趣味だったこと、身長514cmの大男で「トカゲの王」のふたつ名があったことが明かされています。

 これらの特徴から連想するのは「ゾオン系古代種」の能力者がそろう「百獣海賊団」や、その船長「カイドウ」とのつながりです。趣味でハナフダが集めた悪魔の実がカイドウに流れていたり、カイドウや百獣海賊団とともに陰謀を企てていたりなど、さまざまな可能性が考えられます。ただ尾田先生は「何か企んでたんじゃないかと言われてますが、今となってはわかりません」とコメントしているため、本編で詳しく描かれない可能性が高いでしょう。

 しかしファンの間では、最後の島「ラフテル」にたどり着くために必要な「ロードポーネグリフ」のひとつを持つといわれる「火の傷の男」の候補と考える人もいます。というのも、過去に戦ったエースの「メラメラの実」の能力により「火」による傷を負っている可能性があることが大きな理由です。

 このように、個性豊かな『ONE PIECE』のキャラの隠れたストーリーを知れることもSBSの魅力です。今後もコミックスで発表されるSBSから目が離せません。