ときには気を失うほどの重い生理痛に、長年耐えていた女性。婦人科を受診して、ピルを処方してもらい、服用を始めたところ、あれほどつらかった生理痛が解消されました。自身の体験から、婦人科の受診や定期的な検診の大切さを伝えたマンガがInstagramで公開されて話題となった、作者のBotamochiさんにお話を聞きました。
マンガ「ひどい生理痛とピルと異形成と妊娠」のカット(Botamochiさん提供)
【マンガ本編】気を失うほどの重い生理痛に耐える日々 メリットいっぱいだったピルの体験記
定期的な婦人科の検診、大事!
重い生理痛や、「子宮頸部異形成」に悩む女性の体験を描いたマンガ「ひどい生理痛とピルと異形成と妊娠」が、Instagramで800以上のいいねを集めて話題となっています。
重い生理痛に長年悩まされてきた女性。それが普通だと思い、ひたすら耐えていたのですが、婦人科で処方されたピルを飲み始めると、症状が改善され、快適な生活を送れるようになりました。また、検診で軽度の「子宮頸部異形成」も見つかり、定期的に婦人科で検診を受けている作者が伝えたいこととは……。読者からは、「私も似た経験をして悩んだ時期があるので、気持ち分かります」「参考にします」などの声があがっています。
このマンガを描いたのは、Instagramでマンガを発表している、イラストレーターのBotamochiさんです。Botamochiさんに、作品についてのお話を聞きました。
ーー生理中に、特につらいと感じることは何ですか? ピルを飲むことで、そのつらさは緩和されるのでしょうか?
私の場合はお腹が痛くて、トイレにこもったり、ひどいときには立てなくなったりします。鎮痛剤でどうにか和らげていましたが、薬が切れるとすぐに痛くなるので大変でしたね。不思議なもので、ピルを飲んでからは経血量が少なくなり、お腹の痛みもまったくなくなりました。また、経血量が少なくなったことで大きいナプキンを買う必要がなくなり、そのストレスからも解放されましたね。
ただ、ピルの効果には個人差があるように思います。以前、私と同じように重い生理痛を抱える友達にピルをすすめてみたのですが、「あまり変わらなかった……」といっていたので。
ーー子宮頸がん検診で見つかったという、「軽度異形成」について教えて下さい。
「子宮頸部異形成」とは、子宮頸がんの前段階(前がん病変)とのことです。私の場合は、症状がまったくなく、たまたま子宮頸がん検診を受けたときに見つかりました。
HPVの遺伝子型検査をしたところ、52型と58型が検出されたのですが、「HPV16型、33型、52型、58型」が見つかった軽度異形成は、それ以外の型のHPVが見つかった軽度異形成に比べて、がん化のリスクが数倍高いそうです。ですが、軽度なら定期的に検査をすれば、進行しても手術で食い止めることができるし、自然に消えることも……。なお、性交渉経験のある女性なら、誰でもなる可能性があるそうです。
ーー読者のなかにも、重い生理痛に悩む方がいるかもしれません。皆さんに向けて、アドバイスをお願いします。
以前、重すぎる生理痛で気を失った経験があり、それをマンガにして投稿したところ、思った以上に反響をいただきました。つらい生理痛を抱えている人はそれが当たり前になってしまい、病院に行くほどでもないなと思っているかもしれません。私も「これが普通なのかな?」と思っていましたが、皆さんからいただいたコメントで、重い生理痛は病気の可能性もあることを知りました。それをきっかけに病院へ行き、ピルの効果や軽度異形成の存在に気付けました。もし重い生理痛を抱えている人は我慢せず、迷わず病院に相談しても良いと思います。
また子宮頸部異形成に関しては、私は幸い軽度で済んだものの、中度、高度になると危険も増します。早期発見のためにも、定期的にがん検診の受診をおすすめします。
ーー現在は妊娠中とのことですが、体調はいかがですか?
いまのところ順調です。男の子で元気が良く、痛いと感じるほど内側から蹴ってきますね。夫も楽しみにしているようで、よくお腹をなでながらしゃべりかけてくれます。あとは無事に生まれることを祈るのみです。
ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?
「異形成で妊娠をした」と、私と同じ経験をした方から共感のコメントをいただきました。そのほかに、「妊娠、出産をしたら異形成が治った」という方もいて、励みになりました。
ーーマンガを描き始めたのは、いつ頃からでしょうか?
エッセイを書き始めたのは、2022年からです。主にくだらない日常や、旅行の絵日記、自分が体験したエピソードなどをイラストにして、SNSに載せています。
ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。
同じ経験をした方に、共感してほしかったからです。また、「避妊薬として認知されているピルには、生理痛を和らげる効果もある」ということ、「重い生理痛は我慢せずに婦人科を受診すべき」ということ、「定期的に子宮がん検診を受けるべき」ということなどを、読者の皆さんに伝えたかったという理由もあります。
ーー創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えて下さい。
今後も変わらず、自分が思ったことを好きなようにイラストにして発信したいと思います。