ショート動画の視聴を減らすには?
ショート動画中毒を回避する一番の方法は当然ながら「見るのをやめること」ですが、それで簡単にやめられるなら苦労はしませんよね。
そこでショート動画の視聴を回避するいくつかのコツが挙げられます。
まずはTikTokやInstagram、YouTubeなど、ショート動画を提供しているプラットフォームのインストールを絞ることです。
やはりSNSをすべてインストールしていれば、それだけショート動画に触れる機会は多くなります。
友人とのコミュニケーションや情報収集に最低限必要なSNSだけを残して、あとは削除する方がいいでしょう。
それからSNSを削除するのが無理な場合は「非表示」や「チャンネルをおすすめしない」「アプリの通知オフ」といった機能を有効活用することです。
またスマホに触っていい時間帯を決めておく、タイマーアプリを使って「15分だけ見てもいいことにする」といった自分ルールを設けるのもいいでしょう。
中毒である自覚のある人は自分なりのルールを設けて、スマホから距離をとる必要があるかもしれない/Credit: canva
これと別に研究者らは「何か大きな目標を持つ」ことも動画の視聴時間の減少につながると考えています。
研究者に言わせれば、ショート動画に過度に依存している人は、生活の中で目標や意欲がなく、時間を持て余している可能性が高いという。
何か確固とした目標がある人は、日々の時間をその達成のための努力に充てられるので、ショート動画に溺れるリスクも少ないといいます。
確かにショート動画を視聴するときは、やることが思いつかないから暇つぶしについつい開いてしまうというケースが多いでしょう。
ショート動画は確かに気軽に楽しめるコンテンツですが、それ故に刹那的で消費した時間に対して自身のために得られるリターンが少ないため、結果的に視聴後に残るのは、他者との比較による漠然とした不安感や、消費した時間に対する焦燥感だけになってしまうのかもしれません。
「絵を描いてみる」「小説を書いてみる」「音楽を作ってみる」、何でもいいので何か大きな目標を定めて自分のために時間を使うことで、ショート動画を回避できるようになると期待されます。
参考文献
Adolescents addicted to short-form videos tend to have more sleep problems and social anxiety
https://www.psypost.org/adolescents-addicted-to-short-form-videos-tend-to-have-more-sleep-problems-and-social-anxiety/
元論文
Adolescents’ short-form video addiction and sleep quality: the mediating role of social anxiety
https://bmcpsychology.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40359-024-01865-9
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。
他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。
趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部