8月ごろから全国各地のスーパーで米が品薄状態となり、テレビ各局の情報番組は連日のように「米不足」を報じている。9月4日放送の「ひるおび」(TBS系)では、東京・練馬区に本店を構える「スーパーアキダイ」の秋葉弘道社長が生出演し、米不足の解消と騒動の収束を訴えたのだが、番組MCの恵俊彰の“余計な一言”に視聴者から批判が殺到している。

 中継では、女性リポーターがアキダイの店内に入り、米のコーナーに向かうと、棚は空っぽで「まったくない状態なんですね」とい説明。これに恵は「ないじゃないですか、あら~」とリアクション。その後、カメラの前に姿を見せた秋葉社長は、注文した米はきちんと入荷されているものの、「異常なほど売れていますよ」「30何年、ここでやってますけど、こんなに売れたことはない」とコメントした。

 さらに米の価格について聞かれた秋葉社長は「通常よりも3割くらい高いと思うんで、だいたい10月くらいから、去年ほど安くなることはないです。1割くらい高い状態に落ち着くのかなと思います」と回答。「みなさん焦らない方がいいと思います。後でいろんな産地が選べるようになりますし、値段も確実に下がると思いますので」と、あえて現在の高値で買う必要はないと訴えた。

 この呼びかけも空しく、「でも社長」とスタジオから呼びかけた恵は、「ほら、お米がないって話をしていてね。今、アキダイから中継で、棚見て1個も(米が)なければ、『やっぱりお米ないんだ』って思っちゃうもんね、社長」と指摘。秋葉社長は苦笑いを浮かべて「これ本当にこの需要っていうのは消費という需要じゃなくて備蓄という需要ですね」と述べていたが、SNSでは《せっかくアキダイの社長さんが問題ないって言ってるのに…》《米の買い占めを誘導するなよ》《米不足を煽るな》などと批判の声が寄せられていた。

「小売店という立場からすれば、少しでも多く米を売りたいところですが、アキダイの社長は現在の需要を“異常”と指摘。10月まで待てば価格も落ち着くと説明していました。まさに消費者の目線に立った的確なコメントと言えますが、番組としては米不足の不安を煽ったほうが、視聴率は稼げますからね。スーパーの店頭に米がない状態が続く限り、米不足に関する報道も止まらないでしょう」(メディア誌ライター)

 もしも家に米があるなら、あえて高値で買う必要はない。視聴者に冷静は判断が求められている。

【写真ギャラリー】大きなサイズで見る