元トラックドライバーで精力的にマンガ作品を発表しているぞうむしプロさん。道路に思いもよらぬ「落とし物」があることを描いたシリーズ作品が話題です。ユーモアを交えつつ、運転中は油断が禁物であることをあらためて実感できる作品となっています。



道路での「意外な落とし物」をテーマとしたシリーズ(ぞうむしプロさん提供)

【マンガ本編】高速道路に落ちていたのは「家」? 元トラックドライバーが「油断は禁物」と注意喚起

「イエーーーーイ!!」編で落ちていたのは?

 ぞうむしプロさん(@zoumushi6)は、元トラックドライバーで物流やトラックに関するマンガを数多く発表しています。高速道路での意外な落とし物をテーマにした『高速落とし物「イエーーーーイ!!」編』がX(旧:Twitter)で公開され、1.1万いいねを集める話題作となりました。

 この『高速落とし物』マンガはシリーズ化されており、毎回「なぜこんな物が高速道路に?」と驚くような「落とし物」が描かれている作品です。作中の登場人物のセリフにもあるように、「道路には何が落ちているか分からないから油断は禁物」ということを、あらためて感じさせます。

 読者は作品に登場する予想外の「落とし物」やセリフを楽しみながらも、「こんなに大きいのは落ちていたのは見たことはないわ」「シンプルに怖いですね……」といった感想が寄せてられています。そのほか、意外な「落とし物」に遭遇した体験談を書き込んでいる読者が多かったことも印象的です。なかには「山の中でアシカが落ちていたと言い張る方がいらっしゃいました」など、思わず吹き出してしまうような面白いコメントも見られます。

 作者のぞうむしプロさんに、お話を聞きました。

ーー本作は、「パワーーー!!」編の続編として公開されました。これは、ご自身の体験ですか?

 自分の体験ではありません。道路には予想外の物が落ちているという事実がコンセプトのもとになっています。

ーー今回の驚きの落とし物について、ぞうむしプロさんの率直な感想を教えて下さい。

 今回の「落とし物」は、シリーズの第1弾の重機(パワーショベル)を公開した時にいただいた読者さんのコメントのひとつだったのですが、「あるんだ?!」と素直に驚きました。

 このエピソードはセリフや構成が決まっていて最初はキャンピングカーで描いていました。マンガ的にプレハブの方が良いと思い、コメントされた方の許可をいただいて描きました。その方の実話だそうです。

ーーさらに続編として「ハンバーーーグ!!」編も公開されています。そちらのマンガはどのように生まれましたか?

 落とし物シリーズの初回で、ショベルに驚いた時のセリフが「パワーーー!!」、第2弾で家に驚いた時のセリフが「イエーーー!!」というギャグフレーズの流れだったので、「ハンバーーーグ!!」のセリフを先に決めて、後から落とし物を考えました。ただ、創作が混ざっていますが、実際に看板が落ちていることもあるようです。

ーー作品に対する読者からの反応では、どのような声が特に印象に残りましたか?

 コメントで「落とし物の見本市」と表現されている方がいらっしゃいましたが、その通りになっていたのが印象に残りました。引用リポストやコメント欄は信じられない落とし物ばかりでした。



『トラックドライバーの日常 DRIVERS 2』の表紙(ぞうむしプロさん提供)

ーーぞうむしプロさんのマンガでは、2024年7月に『トラックドライバーの日常 DRIVERS 2』が発売されました。そちらも概要や見どころを教えて下さい。

 トラックドライバーの魅力、あるある、ヒヤリハット、KYT(危険予知)、日常やドライバー飯、さまざまな場面が描かれたショートエピソード集になっています。『DRIVERS 1』とともに楽しんでもらえたらうれしいです。

ーーぞうむしプロさんは精力的な活動を展開しています。現在挑戦していることなどは何かありますか?

「元トラックドライバーの漫画家がドライバーのマンガ冊子をトラックで全国最端を目指し配達する旅」というプロジェクトを立ち上げました。『返納デイズ』というマンガを1万冊印刷し、自ら全国に配送する内容です。

 物流業界というのは重要なインフラであるにも関わらず、運賃、賃金は上がらずとても厳しい状況にさらされています。トラックを長くして載せる物量を増やしたり、高速道路での最高速度を上げたりといった対策は、本質的な問題の解決にはならないと思います。

 ドライバーが集まらない1番の理由は賃金ですが、ハードな労働環境や長い拘束時間など、明るくないイメージから来るものも大きいと考えております。少しでも物流に興味を持ってもらって、トラックドライバーの魅力を知ってもらいたい、というのがこの企画の発端でした。現在スポンサーさまを募集しております。Webサイトのフォームからお願いいたします。

 また、これからも物流、トラックのマンガを描いていきますので、見かけた時は読んでやって下さい。