2024年9月5日、北中米ワールドカップのアジア最終予選で中国と戦った日本が大量リードで迎えた後半のアディショナルタイム、左サイドでボールを拾った伊東純也がそこからエリア内に進入した。「自分で打とうと思って」(伊東)。
しかし、その横から大きな声が聞こえてきたという。
「タケ(久保建英)がずっと叫んでいて」
確かに、ボールをちょうだい、ボールをちょうだいと、久保はアピールしていた。
「『純也くん、純也くん』って、ずっと言っていました。めちゃくちゃ聞こえていて、結構高いボールが来てトラップしてシュートを打とうと思ったけど、タケの声が凄かったのでこれは落とそうと。ちゃんと決めてくれて良かったです」(伊東)
伊東は試合後、このシーンについて久保と話したという。
「『自分もゴールを取りたかった』って、タケは言っていました。僕があのままシュートを打っていたら相手に当たっていたかもしれないので、タケに任せてみようかなと」
中国戦のフィナーレを飾るゴールには、そんな裏話があった。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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