「スタジオジブリ」といえば、『もののけ姫』などの長編作品のイメージが強いでしょう。しかし、「ジブリ」では長編だけでなく短編作品も豊富です。
画像は『ジブリがいっぱいSPECIAL ショートショート1992-2016』(ウォルト・ディズニー・ジャパン) (C)2019 Studio Ghibli
【画像】えっ、どこがブタ? こちらは正面の顔がNGになってしまった「なんだろう」です
あれ、見たことあるぞ?
「スタジオジブリ」といえば『もののけ姫』や『天空の城ラピュタ』など、長編アニメーション映画のイメージが強いでしょう。しかし、実は「ジブリ」では長編作品だけでなく、CMなどの短編アニメーションも制作しています。
多くの人が知っている「ジブリ」の短編作品といえば、「金曜ロードショー」のオープニングとして使われた撮影技師のおじさんの動画でしょう。背景のオレンジ色とクルクルとハンドルを回す仕草、最後に帽子を取ってあいさつする様子が印象的です。
このオープニング映像は1997年から2009年まで「金曜ロードショー」で使用されました。いまでは「フライデーおじさん」と名前が付き、商品化もされるほど人びとに愛され続けています。
実は「フライデーおじさん」以外にも、皆さんがTVで何となく見ていたCMが、実は「ジブリ」によって作られていました。
まずは日本テレビ開局40周年の記念として1992年より放送された「なんだろう」のCMです。宮崎駿監督のデザインをもとに、大きな瞳と緑色の体でデザインされています。
「なんだろう」は横向きのイメージが強く、実際に放送されたCMでもほとんど正面からの姿が放送されていません。実は、もともとブタをモチーフに作られたものの、日テレ側から「開局40周年でブタは……」という意見が出たことで、「不思議な生き物」に変更されたのです。
その名残で「なんだろう」の鼻はブタを彷彿とさせます。その結果、AからEタイプまで制作されたCMのうち、「なんだろう」の正面の顔が映るDタイプは放送されずに終わりました。
続いて、日清製粉グループの110周年を記念して作られた企業CM「コニャラ」です。2010年の放送が好評を博し、2012年、2015年と複数回にわたって制作されました。
名前の由来は日清製粉グループを象徴する小麦粉の「こな」と猫の「にゃー」という鳴き声が合わさって「コニャラ」に決まりました。
「コニャラ」は、鈴木敏夫プロデューサーの筆ペンで描いたイラストをもとに制作され、印象的な大きな麦わら帽子は宮崎監督のアイデアだったようです。ちなみに、このCMは「ジブリ」で初めて筆ペンが作画に取り入れられました。
音楽は第1弾が森山良子さんと矢野顕子さんによるユニット「やもり」で、たまたま未公開だった曲が使用されました。第2弾、第3弾は矢野さんによるオリジナル曲です。なお、声の出演は作画を務めた近藤勝也さんの娘さんが務めました。
このラインナップをみて「言われてみれば確かにジブリっぽい」と感じた人も多いのではないでしょうか?
今回はCMを中心に取り上げましたが、「ジブリ」が初めて手掛けた短編作品『そらいろのたね』や、「CHAGE and ASKA」の楽曲「On Your Mark」のプロモーションフィルムとして制作された『On Your Mark』など、思い出深い短編作品がたくさんあります。
あなたが印象的だった「ジブリ」の短編作品は何ですか?