反対派「路上ライブしていると不愉快になる」「正直うざい」
続いて、「路上ライブ反対派」の意見を紹介する。
「駅を出て路上ライブしていると不愉快ですね。仕事帰りは好きな曲を聴きながら自分を癒したいのに、イヤフォンを突き抜けて聴きたくもない歌が聴こえてくるから、舌打ちしたくなります。うるさいのに上手くもないし、『よくそんな腕前で人前立てるな』って人もめちゃくちゃ多いです」(20代・男性・会社員・東京都在住)
「週末は路上ライブをしている人たちがすごく多くて、6組くらい同時にライブしている日もあります。そのぶん観客も増えるので、人が多くて歩きづらいから正直うざいなぁと感じます。それに何組も同時にライブしていると、音が混ざって聴こえてうるさいんですよ」(30代 男性・会社員・川崎市在住)
「いろいろと厳しくなっている今の時代、消えるのもしょうがないのかなって思います。わざわざ路上でライブしなくても、SNSでいくらでも発信できますし」(40代・男性・会社員・横浜市在住)
路上ライブを行なっているアーティストの中には、観客をたくさん集めている人もいるとのことだ。また、最近は男性アイドルグループが特に人気で、観客は20代〜30代の女性が多いという。
アンケートの結果、路上ライブに賛成派が43人、賛成も反対もしない派が36人、反対派が21人という結果になった。路上ライブに賛成派は反対派の2倍以上いることがわかった。
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アーティスト本人は「『生の歌声を届けたい』という一心で」
では、川崎駅前で路上ライブをするアーティストたちは、このような声があがっていること対して、どう思っているのだろうか? 本音を聞いてみた。
まず、路上ライブで100人近く観客を集めるソロシンガー・髙橋一輝さん(29)は次のように語る。
「直接人の目に触れないと活動が広がらないので、『生の歌声を届けたい』という一心でやっています。僕も通報されたことは何度もありますが、みんな夢があってやっているので、嫌ならわざわざ通報せずにすっと帰ってほしいと思います。駅周辺にいる人は、帰るだけの人が大半だと思うので」
次に、3ピースバンド「Vivanz Eden」のリーダー・KAORUさん(25)はこう語った。
「これまで2回程、通報されて警察に声をかけられたことがあります。そのときは、その場で演奏を止めて、すぐに撤収しました。でも、僕らが勝手にやっていることなので、不快に思う方もいるだろうし、『通報するなよ』とは思いません。アンプとドラムを使っていますが、音量には気を遣いながら演奏しています」
川崎駅前は、ほかの地域に比べると路上ライブに対して寛容な人が多く、街ゆく人から嫌な顔をされることも少ないようだ。
路上ライブするアーティストも、それを楽しむ観客も、マナーを守り、駅の利用者には配慮してほしいところだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班