「一夫多妻制アイドル」という触れ込みで、今までにないアイドルグループを模索したアーティストの清 竜人25(きよし・りゅうじんトゥエンティーファイブ)が、2017年の解散から今夏、7年ぶりに帰ってきた。しかも全員新たな夫人を迎えることとなった。この異色のグループが目指すべき野望、それぞれの夫人たちとの出会い、そして再結成した本当のワケ。清 竜人に気になることをすべて聞いた。
むしろ今のほうが時代的に合ってる?
──今回の再結成は、清 竜人25としてやりたいことが新たに見つかったという感じでしょうか? それとも、ずっとやり残したことがある感触だったのでしょうか?
清 竜人(以下同) どちらかといえば、前者ですね。前回(2017年に解散するまで)の清 竜人25では、僕がやりたかったことや世の中へのアプローチについては、やり切ったというか、完全燃焼だったと思います。
ただ、今年が清 竜人ソロデビュー15周年、清 竜人25デビュー10周年という節目で、もし清 竜人25というコンテンツをもう一度企画するなら、このタイミングしかないかなと。正直、悩みましたが、ありがたいことに解散後も支持されて、再結成を望む声をいただいていたので、スタッフやいろんな人たちにも助けられて、再結成に至りました。
──再結成後にリリースされた「青春しちゃっていいじゃん」「Will you marry me ?」と、新曲および代表曲の新アレンジは、以前の清 竜人25の楽曲に比べると、よりソウルっぽく、ちょっと渋いアレンジに変化した印象です。
以前の25はアイドルシーンを強く意識してたし、楽曲もアイドル然としていたんですね。ただ今回はそういうマインドは一切なく、アイドルシーン云々よりは、アーティスト・清 竜人としてどう25をクリエイトしていくか? という所に重点を置いているので、曲調はもちろん、今後の作品やパフォーマンスも、前回とは違う変化があるかと思います。
──2017年の解散後に元号が変わり、音楽業界も目まぐるしく変化しました。そういった音楽シーンの変化はどのように見ていますか?
音楽コンテンツのインターネット上の展開は、当時とはかなり変わりましたよね。SNSも今のほうがずっと充実していますし。ただ、清 竜人25というグループは現在のほうが時代的には合ってるんじゃないかと思います。それこそTikTokでの展開ももう始めていますし、今のプラットフォームと親和性のある、グループの見せ方ができそうだなと。
活動を始めた10年前だと、ももいろクローバーZが紅白に出場したことが話題になりましたが、今でもFRUITS ZIPPERなど日本のアイドルカルチャーは連綿と続いていますよね。K-POPにはNewJeansのような新風がいますし。25はどんなアイドルファン層にも刺さるようなグループになるとおもしろいのかな、とも思います(笑)。
それと、昔よりも若年層が音楽に触れるきっかけは増えているように思いますね。ムーブメントやトレンドを作る世代が低年齢化しているし、ポップスがより若い子たちのものになっているというか。スマートフォンで音楽制作の情報も昔より手軽に知れようになりましたしね。
──音楽制作をはじめるハードルが下がり、技術的な差が簡単に埋まるとなると、作家性やコンセプトがより重要になってきそうですね。
それは間違いないですね。全体的なクオリティが底上げされたからこそ、アーティストとしての個性が問われる……そういう状況は、もう既に始まっていると思います。その中で清 竜人25が、頭1つ抜けた存在になれたらうれしいなと。
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4人の夫人たちとの熱い馴れ初め
──新たなメンバーとなる「夫人」の皆さんとの出会いと、それぞれの魅力や個性についても教えてください。
まず今回清 竜人25再結成の人選をするにあたって、過去に仕事をしたことがあったり、スタッフが共通していたり、既に縁のある人から探し始めました。
第103夫人の凪ちゃん(清 凪)は過去に楽曲提供もしていたので、なんとなく人となりは知っていたし、すぐオファーしました。歌手として、アイドルとして、そういう芸能活動というもの自体がすごく好きなんだなというのが伝わってくる人ですね。ライブでも、ファンに対するアプローチみたいなのも、すごくよくて。ファンの人たちも彼女の人間性みたいなのを理解している感じがします。
一方で、もうちょっとフラットに、これまで仕事をしたことがない、新たな人も入れたいという気持ちもあり、知人に相談した所「頓知気さきなちゃんって知ってる? 竜人さんタイプだと思いますよ」と言われて(笑)。その場でSNSなどを調べて、ビビッと来るものがあって、第101夫人(清 さきな)としてお誘いしました。24歳なのに、すごくしっかり者ですね。仕事に対する向き合い方なんかも、僕も学ぶところがあります。
第104夫人の真尋(清 真尋)も、人に教えてもらったパターンですね。彼女は初めてミーティングしたときから、印象がすごくよくて。芸能活動歴も長いし、いろいろなことを経験をしてきていると思うんですけど、天性の明るさ、ポジティブなものがある人だと思います。それはステージでも楽屋裏でもそうで、いつでもグループ全体を明るくしてくれてます。彼女がいなかったら、メンバー間の空気もまた違っただろうなと思うくらい、太陽のような存在ですね。
第105夫人のゆな(清 ゆな)は、そもそも当初は第102夫人がいたんですけど、いろいろあって、脱退することになりまして。そこで急遽、新たにお声がけしました。既に他のメンバーは25に取り掛かってるし、ゆなちゃんは元々のグループ(きゅるりんってしてみて)もあるし、そういう多忙な状況でもすごく献身的に25に取り組んでくれました。
グループの新メンバーって、いわば転校生のような状況だと思うんですけど、いい意味でふわふわとした天真爛漫なキャラクターで、すぐに他のメンバーとも打ち解けたし、グループ全体の雰囲気もよくなったと思います。僕も彼女もAB型で、ちょっと同じものを感じるときもあります(笑)。
──楽屋の雰囲気が気になりました(笑)。どんな話題で盛り上がってるんですか?
まあ、他愛ない話をしているんですけど、急にキラーパスが飛んできて……「竜人くんってどういう子が好きなの?」とか(笑)。「どんな髪型が好きなの?」って言われても、例えばボブって言えばそのうちの誰かになるし、どうしたらいいんだ!? と(笑)。
──メンバーでもあるし、プロデューサーでもあるし、1人の人間でもあるし(笑)。すごく立ち位置が難しいですよね。
そうですね、切り替えのバランスが肝ですね。普段はメンバーとしてフランクに接しつつも、クリエイティブな面ではときに厳しいことも言うし。